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カテゴリー "記憶喪失物語。〈長編〉全30話" の記事

記憶喪失物語。#30 【完】

「類っ!」「えっ?花沢類っ!?」「なんで!?」ーーーー病室に入って来たのは類。「‥‥‥なーにが酷いって?類。」納得のいかないような表情の司。「酷いじゃん。俺だって牧野の驚いた面白い顔見たかったのにさ。」「面白いってなにっ!」「ばーか。こいつは全部俺のモンなんだよ。」「俺のモンに何を言おうが俺の勝手だし、それに‥‥‥」「‥‥ふがっ!?」ガバっと自分のほうにつくしを引き寄せ、誰にも見せないように胸にしまいこん...

記憶喪失物語。#29

ーーーーガラッ!「牧野わりぃ、ちょっと遅くなっちま‥‥‥っ、」「!?」「お、おい!どうした!?」総二郎からの着信があった俺は『病室で通話するな!』という牧野の言いつけ通り、外に出て話していた。でも、いつまでも牧野を一人にさせられねえから、話を早々に切り上げて病室に戻って来たわけだ。俺がここを離れてからは、せいぜい20分もしねえくらい。なのに戻ってきて最初に見た牧野の表情は‥‥‥ジッと手元を見て固まっていた...

記憶喪失物語。#28

「‥‥‥ごめんな。守ってやれなかった。」ぎゅっと抱き締められたまま、本当にすまなそうに言う道明寺。「なっ、なに言ってんの!あれはあたしが勝手に飛び出しただけで‥‥!」いつもと違って殊勝な道明寺に慌てて返したあたし。「それと‥‥‥ひでー事言ったよな、俺。」「なっ、なに言ってんの!」「あんたが口悪いのなんて今に始まったことじゃ‥‥‥!」「それはお前には言われたくねえ。」「なんだって!?」「‥‥‥って違げぇ、そうじゃ...

記憶喪失物語。#27

ーーーー誰かが、泣いてる‥‥‥?『おかあさーん‥‥‥。』小さい、ちいさい声が遠くから聞こえた。姿は見えないけど、幼い子供が確かに泣いてる。『ボク‥‥‥どうしたの?』泣き声が切なくなって、キョロキョロしながら尋ねた。『おねえちゃん‥‥。』小さい男の子の足音がこちらに駆け寄って来た。ーーーー恥ずかしいのか、キャップを深く被ってて表情は見えない。すると、両手を必死にこちらに伸ばして、手を繋げと強要してきた。『ん?...

記憶喪失物語。#26

「なんで‥‥‥?」「何で先輩ばっかりこんな目にあうのよぉっ!!」ーーーー桜子の悲鳴が響き渡る。「つくしぃ‥‥‥っ」ーーーー泣き崩れた桜子を抱きしめた滋。普段とは正反対に感情を露にする桜子と、目に一杯の涙を浮かべて静かに泣き続ける滋。いつも両極端な二人だが、そのどちらにも牧野への痛いくらいの愛情が伝わって来た。「‥‥‥‥桜子、滋。」「お前らあんま寝てねぇだろ。俺らが見てっからちょっと休め。」「あきら‥‥‥‥。」俺...