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カテゴリー "たいせつなもの〈中編〉全15話" の記事

たいせつなもの 10

お昼休み。みんなでお煎餅を齧り、休憩室に備えられているTVから流れるワイドショーを、なんとなしにただボーッと眺めていた。その番組の中盤では、” 今日の晩御飯 ” みたいなコーナーがあって、ああ、今日の晩御飯は何にしよう……なんて、我ながらかなり暢気に過ごしていた。「つくしちゃん、このニュース知ってるかい?」話掛けてきたのは、隣にいたトメさん。「……好きですねぇ。」トメさんは芸能人やら有名人やらの噂話が大好き...

たいせつなもの 9

『貴方が司の目の前から居なくなれば、後はどうとでもなる。』『……そんな事でいいんですか?』『ええ。貴方が言った様に、司は少し変わったわ。貴方が居なくなった後、後継者としての真面目な姿勢を見せれば上層部も納得するはず。』『もちろん、貴方にもそれ相応の報酬を用意します。』『…………。』やっぱりあたしは、この人のこういう所がキライだ。この、なんでもわかっているような瞳が気に食わない。『そんなもの、要りません。...

たいせつなもの 8

初めて牧野を抱いた昨夜。牧野が欲しくて堪らなくて、ほっといたらまた何処かに行っちまいそうで、好きだと言う度に潤む瞳を言い訳にして、牧野を繋ぎ止めようと 卑怯とも言われかねない手段を使った。だけど後悔はしていない。結果、牧野も俺が好きだとわかったから。多分、牧野もこの4年間俺と同じ想いを抱えていたんだろう。繋がった時の辛そうな顔と、朝起きるとあったシミがそれを物語っていた。朝起きたら牧野が腕の中に居て...

たいせつなもの 7

突然のぶっこみ失礼いたします。あるとです。m(_ _)mそれというのも、今回大人の表現を含みますので、心も体も大人の なんでもバッチコイなお友達だけ、ご了承の上閲覧ください。^ ^;もう、だめだ。昔の事だ といくら自分に言い聞かせても、目が合ってしまったら……大した抵抗も出来なくて、触れられる度に力が抜けていく。それどころかあたしがずっと心の奥にしまい込んでいた気持ちを見つけてくれて、追いかけて来てくれて、嬉し...

たいせつなもの 6

『司は、貴方と家を出ると言ったそうね?』『……。』魔女は何処からそれを聞いたのか、唐突にあたしに告げた。確かに 道明寺は家を出ると言ってくれた。家を出なきゃ、あたしを守れないからという理由で。だけど そこまで知っているのなら、あたしが断わったという事も知っている筈だ。もちろんそれは、道明寺が嫌いだとかそういう事では無い。『貴方は司の事をどう思っているのかしら?』そんな事を言われてもわかる訳がない。わか...