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2012年11月の記事

記憶喪失物語。~after story~ その3

『消毒、してやるよ。』ーーーー飛行に乗り込んですぐに、あいつが言った。『えっ!? い、いいって! ほんとに!』『なぁーにがいいんだ、このやろ。 類が触った後なんか跡形もなく消してやるっ!』『き、消えてる消えてる! ほらっ! あの日ちゃんとお風呂屋さんも行ったし大丈夫だから!』『……信用ならねえ。』『なにがよ!? しかもおでこだよ?』『うるせえ。たとえデコだろーが、髪だろーが、指だろーが、お前に触れる...

ライオン #24

『司、またNYのスミスからのラブレターが届いてるぞ。』『またかよ……。』親父から手渡された手紙。少々、ため息をつきながら封筒を専用のナイフで一気にあけた。『…………。』『スミスは、なんだって?』『いつもと同じだよ。』『ははっ、懲りないなあ。あの人も。』『ほんとだぜ。あきらめ悪いったらねえよ。』『そう言うな、お前を気に入ってくれてるんだろ。』『だとしても、しつけえ。』『はは、そうか。しつこいか。』『せっかく...

シンデレラのパンプス act 2

「先輩、なんか顔変じゃありません?」ギクッ!「そそそ、そーお?」「なんか目が赤いような……。」「き、気のせい気のせいッ!」「 …………。」ジィーーーーッ。「なによ、そんなに見ないでよ!」「何を、そんなに慌てているんですか?」「あっ、慌てる!?」「そんなわけないじゃんっ!ほら、いたって普通だし!!」「……ふぅ~ん。」「あっ、ほら! ここでお茶しよ! ねっ!?」「…………。」「ケーキ驕るからさ!」「……ケーキじゃな...

ライオン #23

「お久しぶりね。」「……はい。」張りつめた空気に、思わず喉がゴクンとなった。「ここで、一体何をしているのかしら?」「いえ、ちょっと頼まれていたコピーを届けに来たのですが誰も居なくて……。」言いながら周りに目を泳がすが、しかし、この階で人に会ったのは初めてで。こんな言葉を楓が信じてくれるのかどうか疑問に思ったが、嘘を言うわけにもいかない。「本当に?」「……はい。」ーーーー 楓の少し疑わし気な視線が痛い。「...

記憶喪失物語。~after story~ その2

「で。どーすっか。」奴等に置いてかれた俺たち。俺としては願ったり叶ったりなわけだが、ただ……隣に立つ牧野の反応があからさまに動揺してる。「ど、どうするって……!」「せっかくアイツらが気ィ利かせてくれたんだしよ。有効活用しとくか?」「しっ、しないよっ! バカッ!!」「………………ぶっ!」「!?」「ばーか、真面目に取んな。また一昨日みてーな目に合わされちゃたまんねーからな。」「うるさい!」ーーーーナニを想像して...

ライオン #22

ーーーーったく、何でこの俺が司の秘書なんかしなきゃなんねえんだよっ!そう思いはするものの、あの中でなら、俺が一番適任なんだよな……。なんて、冷静に考えてしまえる自分が恨めしい。せめて、「オイッあきら!今度こそ仕事は終わったんだろうな!?」隣にいるこの猛獣のように振る舞えたなら。嫌なものは嫌だと、自分勝手に生きられたなら。自分はもっと、ストレスも少なくかつ自由に、思いのままに生きられたのではないか?無...

シンデレラのパンプス act 1

    一目惚れだった。「これ、ください。」「はーい!」「……あ、それ結構しますよ?お姉さん。」「はい。そう思ったんですけど、なんかすっごく欲しくなっちゃって。凄い可愛いし、素敵で……。」「……ありがとうございます。それ、私のデザインなんですよ。」「わ、凄い! 本当ですか!」「これ、私の人生で初めてデザインした靴なんです。一点もので、皮も使っちゃってるからかなり値がはっちゃうんですが……。」「……私が買っち...