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2015年07月の記事

未来の先に見つけたものは 9

涙も枯れつくしたのか、腕の中から聞こえるのがすんすんと鼻を啜る音だけになった頃。まだ若干震える声が、俺へと向けられた。「あんたの気持ちはわかった」「……なら」「でもやっぱり、忘れられないと思う」「……ッ!」抱きしめていた俺を剥がしにかかり、涙目ながらもしっかり告げられた牧野の本心。「……そんなにそいつが好きか?」怒りか、ショックからかはわからない。握り締めた手と声が自然と震えて、ただただ悔しいとしか感じ...

未来の先に見つけたものは 8

ーーーー 俺にとって、衝撃的だったあの日から1ヶ月。「副社長、次の会議資料です」「あぁ」次の日には、何もなかったみたいに出勤してきた牧野に拍子抜けして、腹立たしいやらホッとしたやらで複雑な気持ちを抱えていた。「訂正はありませんか?」「……まぁ、いんじゃね」どうせ、粗探しのしようもないだろう資料を手に取り、パラパラと目を通す。「今日はお昼はどちらで?」「いつも通りで頼む」「……偶には外に出たらどうですか」...