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記憶喪失物語。#9

「何でお前がここに居るんだ。」

「あたしはスタッフですから、そりゃいますよ。」

つーんとした態度で応える。

「一体なんなんだ。」

「お前は。」

撮影から戻って来た道明寺。

あたしが普通にF3と話してるのに驚いてた。

「あら、もう忘れちゃったの?」

「あたしは雑草のつくしよ。」

あたしはわかってて言う。

「そういうこと言ってんじゃねえよ!」

「庶民が何で俺達と一緒に居てダベってんだよ!」

「何よ。友達と一緒にいちゃ悪いっての?」

ギロリと司を睨む。

「ともっ‥‥‥?」

「何アホづらかいてんのよ。」

「う、うるせえ!」

「ぷっ、真っ赤になっちゃって。」

「F4がお前みたいな庶民とダチだと!?んな訳ねえだろう!」

「‥‥まっ、少なくともアンタとは違うわね。」

「当たり前だっ!!」

「おいおい、その辺にしとけ。司も牧野も。」

ますますヒートアップしそうな二人にあきらが割ってはいる。

「おい、お前ら!この女に勝手にダチにされてんだぞ!?」

「何、黙ってんだよ!」









沈黙。








「‥‥‥‥オイッ!」

沈黙に焦った司は、催促する。

「だって‥‥‥なぁ?」

「おう。間違っちゃいねーしな。」

歯切れが悪いものの、否定しないあきらと総二郎。

「ほら見なさいっ!」

どうだ、と言わんばかりにどや顔のつくし。

「ぐっ‥‥‥類、類はどうなんだ!?」






「俺は違うけど。」


飄々としている類。


「だよなあ!んな訳ねえよな。」

途端に上機嫌になった司がポンポンと類の肩を叩く。

「花沢類っ!ひどくないっ?」

つくしの顔が赤くなって、プクーーーっと膨れる。

(またペットとか犬とか言うつもりじゃないでしょうねッ)










‥‥‥しかし。


残りの二人は気まずい顔をしているが、司は気がつかない。


「痛い、司。」

「友達じゃないとは言ったけど、そういう意味じゃない。」


「「はっ?」」

司とつくしの目が、同時に見開かれる。


「牧野は。」

一旦言葉を区切って、つくしを見た。



「俺の好きな人だよ。」




そう言って、天使が優しく微笑んだ。









******


暫し、二人は固まっていた。


「‥‥‥。」

「‥‥‥。」












『あ、でも牧野は俺の彼女じゃないからね。司。』

『はっ?お前、こんな女に振られたんか!?』

『牧野は良い女だよ。』

『お前の目は虫穴かよ。』

『‥‥‥気持ち悪い事言わないで。


『司‥‥節穴な、ふ・し・あ・な。』

『あ、俺帰るね。見たいテレビが始まっちゃう。』

『‥‥‥おっ、俺も用事あるんだった!』

『俺も!!』

『じゃっ、悪いな!牧野!』

ガタガタガターーーーーーー!



ガラッ!!!!


バンッ!!!!



ーーーーーそうして二人は慌ただしく、一人は優雅に帰っていった。









「きゅるるるるるる~~~~っ。」

「ぐうぅううううう~~~~っ。」


二人の腹時計がほぼ同時に鳴った。


「‥‥‥何よ。」

「あんだよ。」


睨み合い。


「‥‥さすが庶民だな。いつも腹空かしてんのか。」

「んな訳あるかっ!!アンタだって、お腹空いてんでしょっ!」

「お、俺は朝、いきなり姉ちゃんに起こされて食う暇なかっただけだ!」

「あ、あたしだって、アンタたちF4
のファンに追いかけ回されなかったら食べれたの!!」


睨み合い。












「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ぷっ。」


「!?」


「あははははははははっ!」


「!!!?」


司はつくしを驚愕の顔で見る。



「何が可笑しい!」


「おっ、可笑しいじゃん、変わってなくて!」


まだ笑い転げているつくし。



「‥‥‥何が、変わってないって?」

「あ、あぁそうか、アンタにはわかんなかったね。」

「いいの、いいの。気にしないで?」

「意味わかんねー事言ってんじゃねえぞ!!」


そう言いながらも、緩んでくる頬を自覚する。







‥‥‥あれ。



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥なんだこれ。








楽しい?





‥‥‥なんだか前にも、あったような。








「‥‥‥道明寺?」


やっと笑いがおさまったつくしが、静かになった司に気付いて声をかける。



「‥‥‥‥やだ、どうしたの?」


そう言われて、近づいてきたつくしに気付く。



さっきまで笑い転げていた顔が、泣きそうな顔に変わっている。


「顔色悪いよ?誰か呼ぼうか?」



「‥‥‥何でもねえよ。」



ーーーーなに言ってんだ。





そういうこいつの方が、顔真っ青じゃねえか‥‥。



「ちょっと、まっててね。」

「ここに横になって。」


言ってから、ソファーに司を横たわらせる。



内線まで走って言って行ったつくしをぼんやりと眺めた。



「もしもし。控え室ですが。」

「ちょっと、一名気分が悪いみたいで。救急車か車呼んで頂いてもいいですか?」

「はい。有り難うございます。


「‥‥あ、はい。道明寺司。男性。18歳。身長は185cm。」


「血液型?‥‥は、確かB型です。」

「最近‥‥は、事故で暴漢に遭って、刺されたことがあるので大量の血が流れて、輸血してるはずです。」




‥‥‥あぁ、こいつも知ってんのか。





「はい。私もB型なので、協力しました。」



‥‥‥‥はぁっ!!?



びっくりして、飛び上がる司をつくしが目線でたしなめた。
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