fc2ブログ
QLOOKアクセス解析

ライオン #39

「さてとっ、あたしもそろそろ寝るか。」

あの後、花沢類もさっさと寝てしまったし。1人でする事もないので、皆と一緒にソファーに寝転がって寝ようと、自分の分のブランケットを引っ張りだした。



そこまでは良かった。

のだが。


「…………。」


ブランケットを片手に持ったまま、あたしは固まってしまった。

「よう。随分と楽しそうだったな。」

「ど、道明寺? おおお起きてたの?」

さっきまでソファーで静かに寝ていたはずの道明寺が、ミネラルウォーターを片手にあたしを睨んでいる。

「寝てたはずなんだけどよ。誰かさんのデケー笑い声で起きちまった。」

「あ、あぁ! ごめんね、うるさかったよね! 今度から気をつけ……。」

「あと、男の声が耳障りでよ。」

「…………。」


明らかに、不機嫌な様子の道明寺。

寝起きだからかな?とも思ったけれど、どうやら違うみたい。


「……男って、花沢 類だよ?」

「分かってる。」

「…………。」

「…………。」

「妬くなよ。」

「っ妬いてねえよ!!」

途端に真っ赤な顔をして、怒ってしまった。

ーーーー 冗談だったんだけどなぁ。

そんなにわかり易い反応されたら、こっちが照れてしまう。

すると、肩をコキッと鳴らす道明寺。

「……カラダが痛ぇ。」

そりゃ、普段からあんなにふっかふかなベッドで寝てれば痛くもなるだろう。

「あんたのでかい身体じゃ無理もないよ。」

「ベッドルーム、どこ?」

「ん。」

あたしが指を向けたその先には その、ふっかふかなベッドがある。

あたしは割と何処ででも熟睡出来る便利な体質なので、ぶっちゃけ何処でもいい。そう思って道明寺に背を向けた。

「じゃ、おやすみ。」

「あ? 何処行くんだよ。お前もこっち来いよ。」

「……やだよ、皆居るのに。」

「なんで。」

「なんでって、恥ずかしいからに決まってんでしょーが!」

「知るか。お前が居ねえと俺、寝れねーし。」

「それこそ知らないわよ! っていうか、あたしはあんたの抱き枕か!?」

「うるせえな。つべこべ言わずに来い。」

「えっ!? や、やだ! ちょっ……!」


このままでは強引に連れて行かれてしまう!!

身の危険を感じたあたしは、道明寺の胸目掛けてパンチを繰り出そうとした。

だけど。

「皆、起きちまうぞ?」

「!!」

「隣にも部屋取ってあっから、安心しろ。」

パンチはあっさりと躱され、耳元でそう囁かれては 大暴する訳もいかず。

「……ヘンな事しないでよ!」

先手必勝!!

先に釘を刺しておかないと。何されるかわかったもんじゃないわっ!!

すると 道明寺は、クッ…と一度 喉を鳴らした後、


「するに決まってんだろ?」

「!!!!!!」



抵抗虚しく、肩に担がれてしまった。




******




「あれ? 牧野、なんかクマ出来てない?」

「あ、あぁ。枕が変わるとあんまし眠れないみたいで。ははは。」

「確かに。床で寝たからか俺も身体がいてーよ。」

「……司、爆睡じゃん。」

「あ、ああ、道明寺もあんまり眠れなかったって言ってたから。」

道明寺家のジェット機の中、あたしの隣で死んだように眠る道明寺。

あれからあたし達は、明け方にはみんなの居る隣の部屋へと戻っていた。

……道明寺には、だいぶ咎められたけど。

コイツが寝ていて良かったとホッとしていたら、みんながあたしの目の前に集まった。

「お前さ、日本に帰ったら覚悟しといたほうが良いぜ。」

「なんで?」

「ばっか、お前は仮にも候補者なんだぜ? しかも道明寺家がバックについた。」

「や、やだな。脅かさないでよ、怖いじゃん。あたしなんてただの庶民だよ?」

「司の婚約者で有る限り、お前がそう思ってなくてもそーなの!」

「?っ……。」

「後は、俺らの出番だな。」

「おう。」

「へ?」

「お前、ラッキーだよ。俺たちみたいな友達が居て。」


そう言うみんなの顔が、なんだか怖いような……?


「あんたら、な、なんか企んでないっ?」


怖気付いたあたしに、5人の瞳が一斉に集まる。








「「「とびっきりのファーストレディに仕上げてやる。」」」


スポンサーサイト