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悪友で親友 〈 出逢い編 〉

ここで小話をば。

何故かポンッと頭の中に思い浮かんで、珍しくたった数時間で書き上げました~ *\(^o^)/*

今回は、残念ながらつくしちゃんは出てきません。。。´д` ;

幼少時の司のお話です。余裕があったら成長していく彼等のお話も書いてみたいなと思います!!

つくしちゃん出て来ないけど、大丈夫!というかたはどうぞ。(´・Д・)」♪














「……ばっかみてぇ。」


英徳学園幼稚舎の入学式当日。

切り揃えられた草木の生い茂る小さなスペースに座り込んだ小柄な人物は、ポツリと呟いた。

両親ではなく、使用人やSPを連れ添った彼は 校舎に入るなり姿を眩ましていた。

あちらこちらから自分の名前を呼ぶ声がする。

だが、齢3歳にしてすでに屈折していた彼が素直に出て行くはずもなく、声が止むまでじっとしていた。


「……おまえ、さぼりか?」

「なっ!?」

突如上から降ってきた声に驚き、隠れていたのも忘れて声をあげてしまう。

「ちょっ、静かに! 見つかっちまう!」

「お、おぅ…」


手のひらで自分の口を塞ぎ、コクコクとうなづく。

普段から、習い事の度に姿を眩ましている彼は もはや隠れんぼのプロだ。

だから、見つかるような真似は絶対にしないし、何があろうと声をあげるなんてもってのほか。

そんな彼が驚いて声を上げたのは、さらさらの黒髪の彼が突然姿を現したのと、この自分に声を掛けて来たから。

生まれてから幼稚舎に入る現在まで、彼には《ともだち》というものは存在しなかった。

1人で過ごす時間を持て余し、使用人の目を盗んで同年代の子供達と遊んでやろうと街に繰り出した事もあったが、それも失敗に終わった。

砂場にいた子供に話し掛けても、ほとんどの子供は彼の威圧的な態度に怯えてしまい、まともな会話は成り立たなかった。

たまに威勢のいいガキ大将と衝突する事もあったが、いざ喧嘩に持ち込むと弱過ぎて自分の相手にはならない。

結果、怯えられてしまうのは同じだった。

だから、同年代の人間と会話をするの自体久しぶりだったし、対等どころか少し上目線で話しかけてきた彼の存在に戸惑う。

「おまえ、だれだよ。」

大人達の声が聞こえなくなって、舐められてはいけないと、唸るような声で威嚇しながら彼を見た。

「おれ?」

しかし彼はキョトンとした顔で、こっちの威嚇なんか全く気付いていないようだ。

「おれは、にしかど そーじろう♪」

それどころか笑顔で自己紹介されてしまい、司は更に戸惑う。

「そーじろう……。」

今時珍しい古風な名前。

聞き慣れない司は小さく繰り返す。

「おまえは!? なんていうの?」

「おっ、おれは どうみょうじ つかさだっ!」

「そっか、つかさか。」

「……おう。」

始めて、家族以外に名前を呼びすてにされた。

胸の中が、少しくすぐったい。

こいつとなら仲良くなれるかもしれないと、司の中で小さな希望が湧く。

だが一つ、気になる事があった。

「おまえはなんで、こんなところにいるんだよ?」

「あ? あ~……ちょっとな。」

「?」

苦笑いを漏らす大人びた彼は、あまり聞いて欲しく無さそうに言い淀んだ。

「おまえこそ、なんでこんなところにいる?」

「おれか?」

自分がなんでこんなところにいるかといえば、単に入学式に出るのが嫌だったから。

何度か練習させられた列をなした行進も、口煩い大人も、何より我慢することを知らない司にとって、ジッと席に座って待つことはこの上ない苦行だったのだ。

そのシンプルな答えを彼に告げると、彼は目を丸くした。

「それだけか?」

「おう。」

「…………ぷっ!」

「!?」

「あっはははは! おまえ、いいな!」

「……はあ? なにがおかしいんだよ。」

「そうだよな!いやなもんはいやだよな!」

「? あたりまえじゃねーか。」

笑われてムッとはしたものの、笑い続ける彼に嫌な感じはしない。

楽しそうに、明るく笑う彼。

笑わせたのは自分だと思うと、少し嬉しくなった。

「きょう、おれんちこいよ!」

「!!」

黒髪ストレートの彼に、いや、初めての友達に家に誘われた。

司は嬉しくて「いいぜ!」と即答する。

「じゃ、ここにいたってつまんねーし、しきがおわるまであそぼーぜ!」

「そうだな!」

入学式もまだ始まったばかりだというのに、少年ふたりは不良少年の道を歩み出す。

彼もまた 司と同じ大きな家に悩まされている人間だと知るのは、数時間後。

まだ幼い彼には《どうみょうじ》が言いにくかったのと、草木の中から覗いていたくるくるの髪が面白くて、声を掛けたこと。

すべての偶然が重なって、運命が交わる。





数日後。

やたら大人しくて頑固なの1人と、同じ天パで誰にでも優しいお人好しが加わり、悪友は4人組となった。

後に、F4と呼ばれる彼等の出逢いはこうして始まった。






おわり。
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