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お姫様はご機嫌ななめ。

いつもご訪問ありがとうございます。

大変お待たせしてしまいましたが、カウンター20万越え御礼のお話が出来ました~!!(^◇^)

今回の主役の彼女をもっと魅力的に書きたかったのですが、ワタクシにはこれが精一杯でした…… orz

えへへ。f^_^;

リクエストありがとうございました~!














「「「つばめが帰国する!?」」」


テレビ電話越しに伝えられた、我が家のアイドルの帰国に邸中が色めき立った。


『うん。そろそろ牧野とむっ君が恋しいみたい。』

「おい類ッ!俺にも会いたいに決まってんだろ!!」

『司が会いたいだけでしょ。』

「むっ君言うな!!」

『だって、つばめがむっ君って言うから移るんだもん。……ほら、おいで。』

画面越しの類に促されると、漆黒の黒髪を背中まで伸ばした美少女が現れた。

『お兄ちゃん、嫌だったの? ごめんなさい……』

美少女は、叱りつけられた子供のようにシュンとして、今にも泣きそうな顔になってしまう。

「いや!違うんだ、つばめっ!!つばめだけは良いんだっ!」

妹を溺愛している兄は、妹の涙に勝てる筈もなく、あっさりと許してしまった。

『むっ君、優しい?』

姫がやっと笑ってくれた事にホッとしていると

『つばめを泣かせないでよ、むっ君。』

完全に、孟で遊んでいる類。

「誰のせいだ!!」

相変わらずマイペースな類さん。

年齢だけみれば、立派なアラフォーだというのに、20代でも通じるこの美貌。

美少年集団だと名高い旧4Fの中でも、儚げな正統派の美形といったところだろうか。

ちなみにお袋の女友達もレベル高いのばっかだし。

そんな中で育って来たからか、幸か不幸か、俺は未だに惚れた奴すらいない。


『じゃ、明日には着くから。』


ブハーーーッ!!


「明日だぁ!?」

「ちょっと類ッ!何でもっと早く言わないのよ!」

「そうだ! いきなりじゃ学校休めねーじゃん俺!?」

「俺だって、明日からドイツに出張だぞ!?」

「帰ってくるなら、ママ つばめの為にケーキ焼いたりしたかったのに……」


『牧野も司も、すげー親バカっぷり……。』


流石は道明寺家の誇るアイドル。

みんな、姫を出迎えたくて仕方がないらしい。

すると、愛されまくりの姫はクスクスと笑って


『大丈夫よ。 私はもうずっと日本に居るから。』

「「「えっ!?」」」

「でもつばめ、学校があるでしょう?」

『実はね、パパやママやむっ君に早く会いたくて、早く卒業しちゃった♪』

ペロリと赤い舌を出して、お茶目にウインクして見せた。

『ほら、卒業証書。』

後ろからヌッと出て来た類の手には、確かにつばめの名前が書いてある。

『みんなをビックリさせようと思って、内緒にしてたの。』

「ええっ!?」

『そういう事で、俺も日本に帰る。』

「類! お前はまだ出張中だろ!?」

『つばめが日本に帰るって言うからさ、俺も頑張っちゃった。』

「が、頑張っちゃったって お前……。」

にこにこ笑いながら、先ほどのつばめを真似て、日本の3人に向けてウインクをした。すると、顔を火照らせた二人をみて司はギョッとする。

「!?」

「てめーら、なに類に赤くなってんだ!」

司からしたら、愛する妻が他の男( しかも類 )に現を抜かしていることはもちろん、息子まで妻と同じ顔をしていたのだから、いろんな意味でビックリした。

「お前まで、なに赤くなってんだよ!?」

「や、なんつーか……類さんのは反則なんだよな。性別を超えた色気ってゆーか。」

「「…………。」」

孟の言葉に司は呆れたが、つくしは絶句した。何故なら、それは自分が思っていた事と全く一緒だったからだ。

( ……流石、あたしの息子だわ。顔は司そのものだけど、案外あたしの血も濃いのかしら? )




『お父様、お母様、お兄ちゃん。』

佇まいを直したつばめが、真っ直ぐに俺たちを見つめる。

「ん?どうしたんだ?」

先程と打って変わって、つばめに優しい眼差しを向ける親父。

『私ね…』

「おう、何でも言ってみろ。」

ほら、だらしないくらいにデレッデレ。

「日本に帰ったら類くんのお嫁さんになりたいの。」

「「「 んなっ!?」」」

『ね、いいでしょう? 類くん。』

『……ん、いいよ。』

画面越しに、なんだかあま~い雰囲気を醸し出すふたり。

その年齢差、26歳。

そんな関係じゃないとわかっちゃいるけど、身内としてはラブシーンを見てるみたいで超絶気まずい。


……うおっ、やべ。


全くわかってない人間がここに1人居た。

握りこんだ拳がブルブルと震え、額に青筋が立っているのが、後ろ姿でもありありとわかる。



「い、いい、いっ…………!」






「いいわけあるかぁ~~~~ッッ!!」


今ではすっかりマイホームパパな司の怒号が、邸中に響き渡った。





******


「類くーん!」

「ん?」

「パパ達、ビックリしてたねっ♪」

作戦が成功したことで、興奮気味に振り上げた手とハイタッチをした。

「……悪戯っ子だなぁ、つばめは。」

「だぁーって、パパがつばめの誕生日忘れちゃうから悪いんだもん。」

「ククッ……。司からのプレゼントが1日遅れた事、まだ怒ってるの?」

今回のいきなりの帰国は司が原因らしく、黙っていて欲しいとつばめに頼まれた。

だけど、俺が聞くと 驚いたようにつばめの表情が固まる。

「ちがうよ、プレゼントの事じゃないよっ?」

「え、違うの?」

「うん。プレゼントが1日遅れたのは、パパが私の為に特別なモノを頼んでくれたからで……。」

「じゃ、なんで?」

そう聞くと、つばめはプクッと頬を膨らます。

「…………だって、おめでとうって言ってくれなかった。」

「へ?」

「パパったら、プレゼントのことばっかりで、おめでとうって言うの忘れてたの!」

唇を尖らせ、完全に拗ねた顔で つばめにしては珍しく怒っている。

その頃、寂しそうにしてたのは知っていたけど、そうか。そんなことがあったのか。

「……そっか。だから、早く卒業出来るように頑張って勉強したの?」

「そうだよっ! だって早く帰らないと、パパ誕生日どころか つばめの名前まで忘れちゃうもんっ。」

「…………。」


いくらなんでもそれはないだろ。

ってゆうか、

すげぇ、ファザコン。


「…………司には叶わないね。」


今も昔も、憎まれ口を叩かれながら、愛しい女達の愛情を一心に受けている。

だけど、羨ましいと思った事はない。


「類くん、るいくんっ!」

「ん?」

「類くんの、バイオリン聴かせて?」

「……いいよ。」

「やったーー!」


つばめは牧野によく似ている。

昔からバイオリンの音が好きで、俺が弾いているとすぐに近くに寄って来ては、嬉しそうに笑っていた。

屈託なく 無邪気に笑うところも、コロコロ変わる表情も、傍に居るだけで心が洗われるのも、何がそんなに俺の心を落ちつかせるのかわからないけれど。


「類君、だーいすきっ♪」

「ありがと。」

「あっ! でもアレは嘘じゃないからね??」

「…………なにが?」

「類君のお嫁さんになりたいって言ったこと!」

「!!」

牧野にはない、直球なトコロ。

そうだこの子は、司の血も混ざってるんだった。

「ね、類君返事はっ??」

「…………つばめが大人になったら、考えてあげる。」

「え~~~~っ!」

その前に司に殺されるかもだけど。


「さ、そろそろ行こうか。」

「うんっ!」


はぐれないように、しっかり手を繋いで空港に向う。

この頼りない小さな手を守る男が現れるのが、きっとそう遠くない将来だとしても。

この笑顔が守れるのなら、どんなことだってしてあげる。






日本に降り立つまで、あと8時間。



ー Fin ー
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