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Wish〈1〉

うへへ。

ご無沙汰しておりまする。(毎回言ってるな……)

言い訳もありますが、長くなりそうなので割愛。^_^;

今更 司誕生日のお話という、季節外れ感半端ないですがお許しを。

久々のupに何故か緊張!なんとか書き上げましたが、苦情は受け付けておりません!(開き直り!)

暇つぶしにでもお付き合い頂ければ幸いです。(・ω・)ノ

(文字超過の為、1話に収まりませんでした!例の如く前後編に分かれます!)

************

「てめぇ、分かってんだろうな?」

どこの世界に、こんな恐喝紛いの要求を彼女にしてくる彼氏がいるというのか

「はいはい。わかってるわかってる。」

しかし彼女も手慣れたもので。

ちくちくと手作業を休めずに答えると、男の目に光が灯った。

「……何よ、そんなに嬉しいの?」

「う、嬉しいに決まってんだろ! 好きな女に貰えんだからよ!」

顔を真っ赤にしながらの素直過ぎる反応は、逆にこちらが照れてしまいそうだ。

つくしは コホンッ、と咳払いで緩む頬を誤魔化し、少しぶっきら棒に言い放つ。

「で、何がいいの? 今年は。」

とゆうのも、現在はお正月モードも落ち着いた1月中旬。
二週間後には、司の誕生日が控えていた。

「なんでもいい。お前がくれんなら。」

「え~?またぁ? 欲しがるのになんでもいいとかって、地味に困る。」

つくしから抗議の声が入ると、司は難しい顔をして黙りこむ。

司とて、つくしを困らせたいわけではない。

だが、普段素っ気ないつくしから貰える分かりやすい愛の形は欲しい。

もっと言うなら、物でなくともつくし自身にラッピングをして、サイン済みの婚姻届と一緒に贈ってくれたらもっと嬉しい。

そんなことを考えつつ、現実的なプレゼントにも頭を巡らせた。

「…………じゃあ、お前が前に言ってたアレがいい。」

「アレって?」

「その、なんだ。お前が小せえころ、お前のオヤジに送ったっつう………かたき券?」

「パパに仇打ってどーするのよ。肩たたき券でしょ?」

「おう、それだ!」

「アンタ、何でそんなものが欲しいの?あたしに頼まないでも、プロがお邸にいるじゃないのよ。」

「っつーか、俺は出来れば肩たたきより……」

「?」

「あああ、あれだ。な、なんか言う事聞くとかいうやつ。」


《肩たたき券》《お手伝い券》とは。

今更 説明するまでもないだろうが、主に母の日や父の日。もしくはそれに準ずるお祝い事のある日に、まだお小遣いをほとんど持っていない小さな子供が 大人に贈るものである。

流石にそのプレゼントは小学校で卒業したが、つくしももれなく両親に贈った事のある1人だった為、司はもちろんそんな事知らないだろうと思いついて、先日教えてあげたばかりだったのだ。

「……お手伝い券のことね。でもそんなの、アンタには必要ないでしょ?」

お手伝い券なんて、忙しい親の為にお使いに行ったり掃除やその他の手伝いをするもの。

第一、この道明寺家にはれっきとしたお手伝いさんがいるし、タマさんを始めとした彼女たちはそれが仕事なのだ。

「あのさ、もしあたしに気を使ってくれてるなら、今はプレゼントくらい普通に買えるよ? ちゃんとお給料貰ってるし。そりゃ、アンタみたいに天井無しって訳にはいかないけどさ……」

「いや、違う。俺が!それがいいんだ!!」

「…………。」

いつになく必死の表現で訴えられ、つくしは訳がわからないまま目をぱちくりさせる。

ーーーー いいのか、これで?

道明寺が何を考えているかなんてあたしにはサッパリわからないけど、本人が一番欲しいって言ってるし、何をあげたらいいかもわからないし……。

何処か腑に落ちないものの、考えても仕方がないと判断した。

「わかった。用意しとく。」

「!!」

「っな、なんでそんなに喜んでんの? そんなに嬉しい?」

「ばっか、お前! 嬉しいに決まってんだろ!?」

「…………?? やっぱり嫌なら、変更してもいいからね?」

「しねーよっ! してたまるかっ!っつーか、絶対だかんな!後でやっぱダメだとか言うなよ!?」

「?? わ、わわわわかった。言わない。」

「っやりーーー!」

「? ? ? ?」

なんでコイツ、こんなに喜んでるんだろう。

やっぱり 金持ちの考える事って、訳わかんない。


ーーーー そして迎えた、当日。


「道明寺、お誕生日おめでとう。」

「……サンキュ。」

にこっと可愛いく笑って言うつくしに、司は頬を染める。

「それで……っと、はい。」

つくしが用意したのは、雑貨屋によくある ちょうど、名刺くらいのサイズのカードに手書きで《お手伝い券》と書かれた5枚の券。

そのまま渡すのもなんなので、赤い包装紙で包んでから、青いリボンを両面テープで貼ってそれっぽくラッピングした。

でもやっぱり、小さ過ぎて物凄いチープだ。

「おっ、おお!」

「本当訳わかんないよね。あんた。」

様子を見るに、どうやら司は気を使っているわけではなく本気で喜んでいるらしい。(もともと人に気を使う奴でもないけど。)

「…………コレ、使うぞ?」

「へ? あ、あぁ。お好きにどうぞ?」

もう使うんかい。

言うなり、いつかのバースデイを思い起こさせるように、無残にビリビリとはがされていくラッピング。

まぁ、後生大事にとって置かれるよりはいっか。

「じゃ早速、あっちの部屋のバスでシャワー浴びて来い。」

「んなっ!?」

「いや、違うな。せっかくだから俺も一緒に入っ……ぶっ!」

「あ、あほっ!なんでシャワー浴びなきゃいけないのよっ!」

「んなモン、決まってんだろ?いや、お前のことだからハッキリ言わなきゃわかんねーのか?これから俺と…「ぎゃ~~!!いい!その先は言わなくていい!」」

「……? ウルセー奴だな。静かにしろよ。」

「あんたのせいでしょうが!!」

「それとも、俺の着替え ” 手伝って ”くれんの?」

「!!」

カードをぷらぷらさせて ニヤニヤと笑う司に、つくしは後悔でいっぱいになる。

まさかっ!!

ーーーー こいつもしかして、そのためにっ!?

なんであたしはコイツの思惑にきづけなかったのっっ!??

「あの、ど、道明寺さん?」

「あ? なんだよさんって。気持ちワリーな。」

「ななななな、なんでもったって、あたしだって神様じゃないんだから出来る事と出来ないことが……ねえ?」

「心配すんな。お前にしか出来ねー事だ。」

「や、やっぱりそれ返して!!」

「絶対嫌だね。それに、後でダメだって言うなって言っただろ。」

「じゃあせめて、一枚はしょうがないけど残り四枚は……!」

「だから、嫌だっつーの。それに今日全部使い切るからな。」

「なななななんで!!」

ーーーー そんな恐ろしい事をッ!

「お前、誕生日過ぎたら、有効期限切れたとかなんだとか言いそうだし。」

「うぐっ。」

ーーーー 読まれてる!

「しゃーねーから、一緒に風呂は勘弁してやる。風呂上がったら、服も置いてあっから着替えて来い。」

「着替えるぅぅ??」

「……なんなら ” 手伝って ” やるぞ?」

つくしは思わず怪しげな目を向けると、返り討ちに遭ってしまう。

「ほれ、あっちに服置いてあっから。」

ペシッ。

「…………ぁい。」

楽しそうにクツクツ笑う司とは対照的に、泣きそうになりながら、まず1枚目のカードを頭にのせて、とぼとぼと隣の部屋のバスルームに向かった。

☆☆☆☆☆☆☆

コンッ。

そのノックは入室の合図ではなく、既に半分開かれたドアにもたれ掛かった自身の存在をアピールするもので。

「終わった?」

つくしが用意し終えるのを見計らっていたように声を掛けた。

「あ、うん。ごめんね、遅くなって。」

「いや、俺が頼んだんだし いーけどよ。」

「ところであたし、なんでこんなカッコ?」

お風呂から上がると、道明寺家の美容部員が ドドドッと押し寄せて来て、エステやらメイクやら物凄いスピードで磨きあげられ、自分で言うのもなんだけど いつもより3割増しでいい女に見えるかもしれない。

バスルームに用意されていたのは 普段着と言っても差し支えない、胸元が少し広めに空いた白レースのカットソーと、道明寺が好きなワインレッドのハイウエストのキュロットスカート。

カットソーは胸元が広めに空いていて、いつもつけてる土星のネックレスとの相性もいい。一緒に用意されていたキャラメル色のPコートがものすごく暖かかったし、1月の寒さは気にならないだろう。

まぁ、可愛くて着やすいデザインとは言え、道明寺が選んだんだろうから全く可愛くない金額なんだろうけど、気にすると きっと脱ぎたくなっちゃうからやめた。

ーーーー でもよかった。

「お風呂入って着替えろ」なんて言うから、あたしはてっきり普段着ないようなふりっふりなのとか、スケスケなのとか着させられるのかと……

「お前が着てえんなら、スケスケでもフリフリでも用意させるけど?」

「げっ!!」

ーーーー やだっ!あたしまた口に出してた!?

「…………。」

「なに? やっぱへん?」

いつもなら馬子に衣装だとかなんだとか憎まれ口を叩く道明寺が、振り向いたあたしを見て固まっていた。

いつもよりラフだったからまだ見れるかなと思ってたけど、似合わないなら早く言って欲しい。

無言でジッと見つめられちゃ、やりにくいったらない。

「全然。むしろすげー可愛い。」

「……………………あう。」

あたしのそんな心配は余所に、目の前の道明寺が本当に嬉しそうに笑うから、目を泳がせてしどろもどろになってしまう。

顔が赤くなっているのがわかる。

なんでコイツは、恥ずかしげもなくサラッと言っちゃうかな。

「……で、何かな?この手は。」

いつの間にかさりげなくつくしの腰に、手を添えていて、傾けられた司の顔が眼前に迫って来ていた。

「ん。」

「!?」

目を瞑り背を屈めて、顔を近づけつくしにキスしろとせがんで来る。

「早くしねーと、今日一日中ベッドの中に縛り付けーー「わかった!わかったわよっ!」」

勢いよく、なんならガツンと仕方なしに一瞬ぶつけただけだったけど、この男の機嫌は上々で。

「今から外行くぞ。」

「仕事、いいの? 夜中に西田さんとか西田さんとかの呼び出しとかないよね?」

「……お前は俺と西田を過労死させる気か? 今日は一日オフだし、西田も休みだ。それよりどっか行きたい所ある?」

「ううん。アンタの誕生日だし、アンタが行きたい所行こう。」

「……そっか。」

一瞬目を見開いた後、嬉しそうに目を細める。

右手でつくしの頭をわしゃわしゃと撫で、その手は自然に下へと降りて肩が抱かれ、司の甘い笑顔を見たつくしの頬がまた赤らんだ。

「とりあえず、飯でも行くか?」

「う、うんっ!」

「お前、何食いたい?」

「え~? だから、あんたが食べたいのでいいってば。」

「んじゃ、食後にお前を腹いっぱい食わして。」

「ばっ、ばか! 昼間っからなに言ってんのよ!」

「昼間じゃなきゃいーのか?」

「っ$☆%*#@&!!」

ブンッ!

「ははは、当たるかバーカ。」

「もうっ!」

そんなこんなで、いつもなら拒否するリムジンに大人しく乗って、手を繋いでランチに出かけた。

「……うまい?」

「うん、すごい美味しい!」

道明寺がいつも連れて行ってくれるお店は、高いだけじゃなくってすごく美味しい。

「お前が好きそうな店だと思ってよ。予約しといた。」

「……ありがとう。」

「おう。」

ーーーー でも、自分の誕生日にまであたしのことなんか考えなくていいのにな。

その証拠に、あたしが気後れしないようにか、今日も割とカジュアルなお店だし。

いやまぁ、確かに いかにも高級ですっ!みたいなお店に入られても、味なんてわかんなくなっちゃうんだけどさ。

でも今日くらいは、お店くらい予約しとけば良かった……。

「ここ見てーんだろ?」

「え?」

「ほら、入るぞ。」

「い、いーよっ!あたしなんていつでも来れるし…」

ペシッ。

「2枚目。いいから早くしろ。」

「……?」

さっきから、渋る度に頭の上に乗せられるカードの意味。

つまり、自分の手を煩わせるなってことか……。


無理矢理続く!
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