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幸せについて

またまた現れました。あるとだよ。

罪人⇒告白⇒幸せついて と、これにて完結です。タイトルに一貫性は全くありませんが、お見逃しください(笑)

途中、ちょいRが入りますので充分にお気をつけ下さいませ。m(_ _)m





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『あたしも、好き』

自分に都合のいい夢を。

牧野が欲しくて堪らない俺の妄想が、白昼夢でも見せているんだと思っていた。

「俺が……好き?」

「うん。」

恥ずかしそうにはにかんで、最高の笑顔を俺に見せているのに、喜びよりも戸惑いの方が先にきた。

「…………なんで、」

最低な嘘をついて、お前を抱いた。

好かれる筈のない行為ばかりしてた俺のことを、牧野が好き?

それじゃあ俺たちは両想いだったのか?

「……嘘、つくなよ。」

心の半分では歓喜して、心臓がドクドクとうるさいのに。

牧野に申し訳ない気持ちでいっぱいの半分が、俺自身を責めたてている。

「……なんで、嘘だって思うのよっ」

事実を受け入れ難くて、そんなことあるわけない、自分勝手も大概にしろと苛む心の声に負けそうになっていると、ムッとした牧野の尖った唇で 拗ねた声が耳に入ってきた。

「俺は……、お前に好かれる事なんか全然してねえよ。」

今の俺は、お前に関しては自分に自信を持てなくなっていた。

「そんな筈が……ねえ。」

天下の道明寺だと大見得切ってみても、今の俺はお前に好かれる要素は何ひとつ見つからない。それどころか、

ーーーー その反対の事はした癖に。

「なにそれ……、あんたに何かされなくちゃ、あたしはあんたを好きになる権利も無いって言うの……?」

「……っ、ちが……!」

どこか傷ついた表情で絞り出された声に、慌てて抱きしめる。

「っあ、あたしはっ、あんたを好きになっちゃいけなかった? あたしがあんたを好きだとおかしいの?」

胸の中で響く涙声に胸が潰されそうだ。

「違うッ!そうじゃねえよ……。俺はお前がめちゃくちゃ好きだし、出来ることなら お前にも……好かれたいって思ってる。」

「……ほんと?」

ぎゅっと腰に抱きついて来たのにまた胸が苦しくなって。

「ああ。お前が好き過ぎて、あんな卑怯な事してでも欲しいって思っちまうくらい好きで……大切にしたかったのに……ごめんな。」

「……っ!」

俺の胸に顔を埋めたまま、ぶんぶんと頭を振る。

「このままお前に気持ちも伝えられねえまま、もし、他の男にでも掻っ攫われたらって考えたら……マジで気が狂っちまいそーだった。」

牧野の顔を上げさせて、しっかりと見つめた。

「お前だけだ。お前しか、いらねえ。」



ーーーー どうか、届いてくれ。



「……へへ。あたしも好き。」

涙目で笑った牧野。

「本当か? 俺でいいんだな?」

「うん。道明寺が良いっ」

「……ッ!!」


なんて嬉しそうに笑うんだよ。


ーーーー 幸せ過ぎて、苦しい。


「牧野、愛してる……。」

言葉を噛み締めるように、唇を重ねる。

「……っん、んぅ、」



あっという間に深くなったキス。

舌を絡めて、薄目で牧野を眺めると 牧野もまた、愛しそうに俺を見ていた。


******


「牧野、牧野……」

牧野と想いが通じた事が嬉しすぎて、深くなるキスに一気に俺達の体温が上がってしまった。

ギッ……ギッ、ギシッ

1ミリの隙間もない程抱き合って、軋むベッドのスプリングに合わせて愛を確かめ合う。

昼間から情事に耽る事を普段は嫌がる牧野も、今日ばかりは黙って俺に付いてきてくれた。

「あん、あっ、どうみょうじぃ……」

「好きだ……お前が好きだ……!」

一刻も早く今までの時間を埋めたい。

その焦りから性急に求めてしまったが、あっと言う間に溶かされたのは俺の方だ。

お互いの体液からなる音はとても甘く。

「いつもより、濡れてるな……。気持ちいいか?」

優しく突き上げながら、攻める声は自然と楽しげに。

憂いの晴れた俺は、気持ちが繋がってからの初めての行為に酔いしれていた。

「あっ、ん、すき……す、きだよ……。」

「まきの……ッ!お前、最高だ……」

潤んだ瞳で愛を囁かれる幸せは、一層 俺自身を硬くする。

「ゃあっ、まっ、てっ、っあ、あぁぁッ」

激しくなった律動を、支えきれない程の愛情を一身に受け、箍が外れた様にひたすら喘がされる牧野の姿は、

「全部、俺のだ……お前は、俺の女だからなっ」

今まで無理矢理抑え込んでいた独占欲が溢れ出すと、もう自分でも止められなかった。

「ぁっ、まっ……、」

「もう、誰にも触らせねえ……ッ!俺だけの……!」

「あああぁぁあぁぁあーーーー」


更にスピード上げると、牧野は必死で俺にしがみついた。





******


「最近、司と牧野見ないね。」


英徳学園、カフェテリアにて。

日々 高等部の非常階段へと通う類が、素朴な疑問を親友に投げかけた。

「類……。お前今更かよ。」

「今更?」

類とて、将来を約束された身。

その代償に、大学生に上がる直前にもなると今までのようにはいかなくなり、最近は非常階段に行ける頻度も少なくなっていたので、呆れたように今更と言われても なんのことだかサッパリわからなかった。

「あっでも、俺、アイツら街で見かけたぜ。 喋ってねーけど。」

「なんで声掛けなかったんだよ。」

今思い出したように話す総二郎だが、実際に話しかけたわけではないと注釈を入れた。

「いや、あいつら邪魔しちゃ悪いくらいラブラブでよ。手ぇ繋いで所構わずいちゃいちゃしてて、見てるこっちが恥ずかしかったぜ。」

「司と牧野がか!?」

「……全然、想像できない。」

「類、言ってやるな。」

自分が居ない間に何が起こったのか。

「ま、あいつらのケンカもやっと終わったみてーだったから暫くは安泰だろ。」

「……ケンカ、してたの?」

「おぉ。なんかよくわかんねーけど、なんかずっとギクシャクしてたぜ。そのくせあのバカは蕩けそーな顔で牧野にもうデレッデレのメロメロだし。 牧野も何だかんだ司を甘やかしてたしな。あいつらまじ意味わかんねえ。」

「うははは! まじかっ!あっ、あの牧野と司がか!見てえ!超見てえ! 」

「今頃、2人でホテルにでもしけ込んでしっぽりやってんじゃね?」

「今度冷やかしに行くか。」

何も見ていない様で、人の機微に敏い総二郎が言うには、2人はずっと想いあっていたらしい。




「……良かったね、牧野。」


あの浜辺で、司に殴られた夜を思い出す。

何となく いつかはこうなる気もしてたんだ。

あれから、司が一瞬NYへ行って速攻戻って来たり、牧野の親父がリストラされたり、色んな事があった。

それ以降 なかなか噛み合わない2人にどうしたものかと、一旦は2人を引き裂く形にしてしまった事を 自分でも気づかないうちに気にしていたのかも知れない。

正直ホッとした。

もし、自分があの時彼処に居なければ ーーー

詮無い事を考えてしまう自分がいたのも事実だったから。

だけど、それももう……


『花沢 類ッ、風邪引くよ!』


そっと目を瞑れば、いつでもあの笑顔が浮かぶ。


「……類? 起きてるか?」

「うん。起きてる。」

「お前も一緒に来いよ。あいつら冷やかしに。」

「……いいね。」

「うぉっし。じゃ、滋達も誘って呑もうぜ!」


……今度は、本物を見に行こう。

祝杯を上げた後は、彼女と 幸せについて語るんだ。



ー FIN ー
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