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未来の先に見つけたものは 6

(※途中、ある症状についてのことを書いておりますが、適当小説な為、知識もクソもありません。雰囲気で受け取って頂ければ幸いです。少しでも不快に思われた方は、直ぐに引き返す事をお勧めします。)





「はい、宜しくお願いします」

扉の前で、白髪の先生に頭を下げた。

「……坊ちゃんも、これに懲りてちゃんと薬を飲んでくれればいいのですが」

人が良さそうなおじいちゃん先生は、扉の向こうに居る道明寺に心配そうな顔を向けている。

「目が覚めたら、呼んで下さいね」

「ありがとうございます」

「……牧野さん」

再度頭を下げると、先生に呼ばれた。

「?」

「あなたも、もっと自分を大切に」

目を細めた先生は、あたしの頭を撫でると自室に帰って行き、あたしも再び部屋の中へと戻った。






ーーーー ほんとバカ。

夜もろくに眠れない癖に、薬も飲んでないなんて。

「しっかり寝なさいよね」

穏やかな寝顔を眺めながら、ぽつりと漏れた。

『俺、あんま眠れねーんだ』

そうは言っていたけど、睡眠導入剤を処方して貰うとか、お医者さんに掛かるとか何かしら方法はあるはずなのに。

なのに、なんの対処もしていない。いつも気怠げな道明寺が気になって、専属のおじいちゃん先生に聞けば、本人が硬くなに拒否し続けているのだと。

そんな事をすれば、いくら犬並みの体力をもつ道明寺だってどうなるかわからない。

今は若さでなんとかなっているだけで、何年も不眠不休なこの状態は、近い将来、支障をきたすのは目に見えていた。


そうたとえばーーー

もし、このまま目を覚まさなかったら?


「…………っ」

静かに眠り続ける道明寺を眺めていると、言葉に出来ない不安が込み上げてくる。


ーーーー 再会してから。


口を開けば、お互い憎まれ口ばかりだった。

高校時代に戻ったような関係が嬉しくて、だけど あたししか覚えていないという事実を思い出す度、打ちのめされた。

あたしの事、綺麗さっぱり忘れたくせに。

病院での面会すら拒否して、一人で勝手にNY行っちゃったくせに。

『俺じゃだめか?』

なんて、最初にあたしを拒否したのはアンタじゃない。

なんなのよ今更、ふざけんじゃないわよ。







「……ッふぅ!」


ーーーー なのに。

止められないこの涙は何なんだろう。

意思がなくなる直前に触れられた髪から意識が離れなくて、道明寺の顔を見ているだけで胸が苦くなる。

でも、認めたくない。

あたしはもう、あんな思いは嫌だ。

そう思っていても、動き出してしまった心がドンドンと胸を叩いてうるさい。


「また、捨てられるのはイヤなの……」


自分に言い聞かせた情けない響きは、夜の空へと消えた。
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