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記憶喪失物語。#15

「ちょっと桜子!なんであんたも付いてくんの!」


ーーーーやっとあの二人を撒いたのに、桜子だけはなかなか撒けなくてあたしは困っていた。


「違いますよ、先輩。」

「ついて行くんじゃなくて見張ってるんです。」

「尚更悪いわ!」

何度も何度もこんなやり取りをしているうちに、目的地に着いてしまう。

「~~~んもう!じゃあ終わったら買い物には付き合ったげるから、絶対に来ないでよ!」

「そこら辺でお茶しててね!後で連絡するから!」

「は~い♪」


桜子の聞き分けのいい返事。

これでようやく、あたしは安心して海ちゃんを待つことにした。












ーーーーしかし。


やっぱり、物陰から覗いている桜子。


(‥‥‥甘いですね。先輩。)



『ちょ、ちょっと、とと友達がね?久しぶりに会おうっていっててね?』

『桜子の知らない子だからビックリしちゃう‥‥からさ?』



ーーーーあんなしどろもどろな言い訳、誰が信じますか。

まぁでも、信じた振りをした方が事は簡単に済みそうでしたしね。




ピッ


桜子は携帯を手に取った。


「あ、私です。」

「そっちは大丈夫ですか?」

「‥‥ええ。こっちは大丈夫です。先輩じゃあるまいし、バレませんって。」

「はい、お願いしますね。」


ーーーーピッ。








西門さん、美作さん。


頼みましたよ。







******


「‥‥‥ふうっ。」


つくしは辺りに人がいないのを確認すると、一息ついた。



(全く‥‥桜子め。)

面白がって、どこにでも付いてくるんだから‥‥。

嘘をついたのは悪かったけど、この間、海ちゃんの話が出たとき物凄い剣幕だったし‥‥言わないほうがいいよね。



うん、うん。とつくしは自分に言い聞かせた。


ーーーーさて、と。

そろそろ来るころかな?



「‥‥‥‥。」






しばらくしても来ないので、つくしは花壇に座って待っていた。












ーーーー海ちゃんが来たら、何から言おう‥‥。


まず、あたしも道明寺が好きだって言わなきゃならない。


今、道明寺の彼女は海ちゃん‥‥なんだから。


道明寺も、海ちゃんの事好きなんだよね‥‥







『あたし、道明寺くんの事が好きなの。』


『彼も‥‥同じ気持ちでいてくれてるみたいでーーー。』


『道明寺、今好きな人いるの?』


『あ?‥‥あぁ。』





あたしが今からすることは、必ず誰かを傷つけること。

出来れば記憶が戻って欲しかったけど、道明寺の記憶はまだ戻らない。

なんで戻らないか‥‥‥なんて、考えるのも恐いけど。

これは避けちゃいけない道なんだ。









『お前が俺を好きでいる限りはやるからな。』


『力技で。』









過去に、こう言ってくれた道明寺。



ーーーーあたしだって、あんたの為にならどんな力技でも使って見せるよ。










だって









こんなにも、あんたが欲しい。






******


「「司ちゃん♪」」

ビクッ!

「な、なんだ。お前らかよ。」

「気持ち悪い呼び方してんじゃねえよ。」

桜子に頼まれて探してた司を、学園内で発見した。

「な、お前これから時間空いてるか?」

「空いてねえよっ!」

即答。

「はっや‥‥。」

「なんだよ、なんか用事あんのかよ。」

「あ、あぁ‥‥ちょっとな。」

司はポッと顔が赤くなる。



「「んっ?」」



(この、反応は‥‥。)



「「牧野だな。」」

「!」

「うっせえ、関係ねーだろ!」





(あれ?でも牧野は桜子と一緒だったはず‥‥。)


「「!!」」



同じ事に思い当たった二人は、顔を見合せ、人の悪い笑みを浮かべた。


「気持ち悪い顔してんなよ!!」


野性の勘か、二人の顔を見た司は嫌な予感がした。


「司。」


ズズズイっと、二人の顔が近づいて来て。


「何なんだよさっきから!」


司は思わず後退りする。


「「一緒に来て、損はさせね~から♪」」



ペタッ。




いつになく強引な二人に、ガムテープを貼られた司は強制連行された。
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