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if ~もしも2人が幼馴染なら~ 50万HIT記念


超今更ですが!!汗

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「つ・か・さ!ってば!!」

「うおッ!?」


暖かい日差しの中で、中庭のベンチに寝そべって今にも眠ってしまいそうだった俺に、日差し避けに被っていたキャップが取り上げられた。

「まっ、眩しッ! てめ、つくし!いきなり何しに来やがった!?」

「何しに来たぁ? 何しに来たじゃないでしょっ!? またアンタは学校サボって!」

「いちいちうるせー! それなら俺以外にもいるだろ!あいつらとかよ!」

「だからってアンタがサボる言い訳にはならないわよ! 椿お姉さんと静お姉さんも探してたんだからっ!」

目の前に現れたのは、幼馴染の1人、牧野 つくし。

姉の椿によく似た性格で(顔はへちゃむくれだが)年下のクセに、毎回 何かと俺に構ってきては説教を垂れてくる。

「それに、あの3人はアンタよりバカじゃないからまだいいの」

「はっ!? なんだよそれ! 差別すんなっ」

「いいから、ほら!」

「ちょっ、待て! 引っ張んな!」

そうして毎回邸に現れては、俺を強引に引きずって行った。

「椿おねーさーん!」

「……あらっ? つくしちゃん!またそこのバカ見つけてくれたのね!」

「えへへ」

姉貴がいた部屋まで、つくしに連れられて行くと、姉から頭を撫でられて、嬉しそうにはにかんだ。

……くそっ

「おいっ、つくし! 行くぞ!」

「えっ?」

「ピアノのババアが来ちまうだろーが! あいつ遅れると、うるっせーんだよ!」

「なっ、引っぱらないでよ! てゆーか、隠れようとしてたくせにー!」

「うるせー!ほら、早くッ」

咄嗟に繋いだ手を握りなおして、レッスン室までどんどん進む。

俺よりちっこい手の指と指を絡めて、いわゆる……こ、ここっ、恋人繋ぎってヤツだ!



俺はつくしが好きだ。

もう、ずっとずっと昔から。

学校をサボるのだって、学校が違うつくしに会いに来て欲しいから。

人にバカバカ言いながら、飽きもせず俺のとなりにずっといる。

いつから好きかとか、好きになったきっかけなんて覚えちゃいないくらい、ずっと前から大好きなんだ。


「……うーん」

「? どうしたんだ」

「あのね、ここの問題が難しくって」

レッスンも一通り終わり、姉貴に強制的に自主室に連れてこられた俺たち。

隣ではつくしが真面目に宿題をしていて、頭を悩ませていた。

「どれ、見せてみろ」

「やだ!」

「なんでだよ、いいから見せろって」

「……ああっ!?」

つくしの手元からひったくるようにして奪うと、因数分解の途中で式が止まっている問題があった。

「2番か?」

「……うん」

「こっちはこの式じゃなくて……ホラ、ここの公式使え」

教科書を捲り、促してやる。

「もぅ。 自分で解きたかったのに」

つくしはぶつくさ文句を言いながらも、素直にカリカリと解き始めた。

「あっ! できたかも!」

「おう、正解だぜ」

「やった!やった!」

…………かわいい。

解けた事がそんなに嬉しかったのか、溢れそうなくらい瞳を爛々と煌めかせている。

「でも、自分で最後までやりたかったのになぁ」

その後、ちょっと拗ねた顔で睨んでくるのもかわいい。

「バカ言え。その調子じゃ中学受験に間に合わねえだろーが」

「じゅ、受験は受けるだけだもんっ。椿さんとか楓さんに勧められたから受けるけど、本当に通うわけじゃないし……」

ひとつ年下のつくしは、現在 小学6年生だ。

忌ま忌ましい事に、幼稚舎から英徳だった俺たちとは違い、つくしは公立の学校に通っている。

「でも、どうせ受けるならいい成績残したほうが格好いいだろ」

「…………」

「いい成績残したら、おばさんがお前の好きなご飯作ってくれるってよ」

「えっ、ママが!?」

なんとしてでも、中等部からはつくしと一緒に英徳に通いたい俺は、自分の親とつくしの両親を説き伏せ、つくしに中学受験させるように手を回していた。

…………ここまで来たら、絶対に受からせる。

「うーん、ハンバーグがいいかなぁ」

俺の考えている事などつゆ知らず、食欲旺盛なつくしは晩飯に思いを馳せている。しかも、何が食べたいのかも口からだだ漏れなので、牧野家にも差し入れし易いのがいい。驚くことに、本人に自覚はないようだが。

「さ、やるぞ」

「あたしのより、司も宿題ないの?」

「さあ? 英徳で出されたことねーし、ないんじゃねえの」

「ええええっ」

「今日、うちハンバーグらしいから頑張ったら食わせてやる」

「ハンバーグ……?」

「その前に休憩のティータイムでマカロンもでるぞ」

「ま、マカロン……!」

ハンバーグもマカロンもつくしの好物で、それ以外にもつくしの好物は邸の厨房に常にストックがあったりする。

みるみるうちにやる気を出したつくしはスピードアップして、たまにわからない問題は俺に聞いて、宿題を終わらせた。

「終わったあー!」

「ぷっ、よかったな」

間の休憩を挟むまでなく終わったので、俺の部屋で夕食までゆっくり過ごすことにする。

「つかさは数学得意だよね」

「まあな」

「国語と社会はボロボロなのに」

「ぐっ……うるせえ」

人には向き不向きってモンがあんだよ。







「おい、眠いのか?」

2人でチェスをやっていたが、つくしの頭が船を漕ぎ出していた。

「ふぁ……。うん、おやつ食べたから眠くなっちゃった、かも」

「頑張って勉強したもんな。起こしてやるから、俺のベッド使え」

「んーん。ソファーで、だいじょ、ぶ」

「…………」

うとうとして、今にも瞼が落ちそうだ。

「待ってろ」

俺のベッドから薄手の毛布を持ってきてやって、横たわらせてそこに掛けてやる。

「…………くぁっ」

くぅくぅと気持ちよく眠りこけるつくしを見てたら、俺まで眠くなってきた。

ガタン。

「……」

もぞもぞ

「…………つくし、半分毛布……よこせ」

「ん……」






ぎゅっ。







すう……












キィィ

「つかさー、つくしちゃーん?」




「……あら?」

夕飯になっても姿を現さない2人を呼びに来た椿。

そこには、ソファーベッドに仲良く並んで寝ているつくしと司が。

「うふふふ、司ったら幸せそうな顔しちゃって」

同じ毛布に包まって、まだあどけない顔をしている2人。

「……あと、もう少しだけ寝かせてあげましょ」



本格的な夏前の、思い出の1ページ。




fin
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