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if ~もしも2人が幼馴染なら~ 桜時


我が家のお得意様、H★さまからのリクエストでごわす。

ありがとうでごわす。

神が降りて来たでごわす。奇跡ッ!!

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「おい、転けんなよ!」

サクラ咲く 4月。

満開の桜もそこそこに、待ちに待ったこの日がやって来た。

「わぁ、やっぱり英徳の制服って可愛いね!」

入学式当日。近くにある牧野家まで迎えに行くと、つくしは真新しい制服に身を包んで、くるくる回ってスカートをふくらませていた。

「……あんまり回ってっと、パンツ見えんぞ」

「え」






「じゃ、行って来い」

「うんっ」

中等部1年の階まで送ってやって、先ずはクラス毎に説明があるようなので、わり振られた新しいクラスへと向かわせた。

俺らの場合は学園長が校門にまで迎えにきたから、そんなことなかったんだが。式もサボったからよく知らねえし。

さて、式が始まるまで何すっかな。

「……あっ、司!」

「んぁっ?」

とっくに教室に入ったものだと思っていたつくしが、後ろから走ってくる。

「どうした、忘れモノか?」

「ううん。あのね、」

「お、おぅ?」

キュッと袖口を掴んできた。

なんだこいつ、かわいいな! 上目遣いはやめろ! ドキドキすんだろーがっ!

「送ってくれて、ありがとう」

ズギューーーン!!

最強にかわいすぎる。

「い、いいってことよ」

「へへへ」

それだけ言うと、また直ぐに戻っていった。

ーーーー 本当によかった。

英徳の制服を着たその後ろ姿を見つめていると、ようやく俺の夢の一つが叶ったんだと実感する。

多少無理はしたが、つくしを英徳に入れたのは正解だった。あいつは鈍い女だから気づいちゃいねぇだろうが、俺が潜ませたスパイによると、3月まで公立の小学校に通っていたつくしはモテモテだったらしい。

顔が姉ちゃんや静みたいに整ってるわけではないが、明るくて、無邪気で、多少怒りっぽい所はあるが誰にでも優しくて。そんな”俺の女”がモテないはずもないからな。

特に、美味そうにニコニコ笑って食っている時が一番可愛いかもしれねえ。

「司」

「……お、類」

式が始まるまでやることがなくて校舎内をぶらついていると、珍しいヤツが声を掛けてきた。

「お前がこんな朝早くから来てるなんて珍しいな」

「それは司もでしょ」

「俺はほら、あいつ迎えに行ってたからよ」

「……あ、そっか。入学式か」

俺の幼馴染の一人、類。

いっつも眠そーな顔してるが、案外コイツは油断ならないヤツだ。

「てめぇ、つくしが英徳に通うからって近づこうなんて思うんじゃねーぞ」

「…………幼馴染に、今更 近付くなも何もないでしょ?」

一瞬呆気にとられた類だったが、直ぐに眠そうな顔に戻ると欠伸をした。

「お前のその顔が気に入らねーんだよ! なんだその女みたいなツラは! そのビー玉とか言う目はっ! つくしが見惚れるからって調子にのんなよっ」

「…………それは、貶されてる?それとも褒められてるの?」

つくしがタイプだとか言う、類の顔。

俺の顔だってかなり良い方だと思うのに、昔、つくしにどっちの顔が好きか聞いたら、

『ん~と、るいっ!』

…………無邪気に答えてくれやがった。ちくしょうかわいい。

あっちでもこっちでも、敵だらけの俺。

昔からつくしと一番一緒にいるのが俺なのは間違いないが、学園では1学年下のつくしと一日中一緒には居られないし、つくしが嫌がるし。

「司、入学式始まるってさ」

「おっ、やべっ」

うっかり校内放送を聞き流すところだったぜ。

つくし(と俺)の晴れ舞台を見逃すワケにはいかないからな!

「って、類! なんでお前までついてくんだよ」

「ん~。なんか面白そうだから?」

俺はちっとも面白くねえぞ!?

急いで式が行われる大聖堂まで移動して(何故か類も一緒に)在校生の席に座ると、間も無く式が始まった。

式自体は面白くもなんともねえが、つくしが1ーAの席に座っているのを、俺は後ろからジッと見つめている。どこに敵が潜んでいるかわからねえからな。

「んッ!?」

おい! 隣の男 椅子が近過ぎねえか? しかも、なんでよりにもよってアイツの両隣とも男なんだよッ!

ガタッ

「どこいくの」

「あのハゲに落とし前つけてもらう」

「…………学園長に、クラス分けの役割はないと思うよ?」

そうか。じゃあ後で、クラス分け決めた責任者〆てやる。

「おい類! あのハゲ、今 つくしの指に触れなかったか!?」

「気のせいでしょ。代表の挨拶しただけだし」

くっそ。俺の目は誤魔化せねえからな!

「あっ、あいつ つくしの髪に!」

「司うるさい」

そんなこんなで(司だけ)大忙しだった入学式も終わったので、ホームルームが終わった頃を見計らってつくしを迎えに行く。

ざわざわ……ざわ

1年の階に降りると、新しいオトモダチって奴を作るのに必死なのか、どいつもこいつもちょこまかと動きまわっていた。

「つくしっ!」

ザワッ!!!!!!

「……あ、司?」

英徳は外部生も募集もしているが、その殆どは幼稚舎か小等部からの持ち上がりが多い。

つくしも公立の小学校ではビックリするほど友達が多かったが、既に出来上がってしまっているグループを前に戸惑っているように見えた。

そんな中で俺の顔を見てほっとしたのか、俺の所まで歩いてくる。一応類も隣にいるが、コイツはついでだ。

「もう終わったんだろ? 帰ろーぜ」

「あ、うん。用意するからちょっと待ってね」

慌てて用意するつくしを、シンと静まった教室の誰もがその様子を見守っていた。

ヒソヒソ……

『おい、あの子……』

『今、道明寺さまと…………よね』

『まさか、外部生が……』

『花沢さまもいるぞ』

『いやでも、どう見たって……』




……なんだコイツら。

この英徳学園じゃ、俺らを知らない奴はまずいないだろうが、本人を前にしてコソコソコソコソと。

うぜえ。ぶっ飛ばしてやろうか。

「ごめんね、おまたせっ!」

「……お、おう」

後5秒でキレそうだった俺の目の前に、つくしが駆け寄ってきた。

「あれ、花沢類も迎えに来てくれたの?」

「ん? 俺はついでって言われた」

そっかあー。んじゃ、帰ろーっと。

周りの空気なんてなんのその。あれだけ嫌な空気が流れてたのにもかかわらず、能天気な会話を繰り広げるふたり。

無邪気っつーか、鈍感っつーか、肝が据わってるっつーか……


くるっ


「おい、お前ら」

「「「は、はいいぃっ!?」」」

クラス全員で合唱してんじゃねーよ。

「あの女になんかしたら、お前ら一人ひとり、ブッ殺すからな?」

「「「ヒィッ!!!!」」」

「特に男は あいつに触るな、見るな、口も聞くなよ?」

「「「しょっ、承知致しましたあー!!」」」

うるせえな。声がデケーんだよ。

「あと、あの女は俺の女だから。ちょっかいかける奴がいたら報告しろ。いいな?」

「「「はいっ!!!!」」」

もうお前ら軍隊に入れ。






「司ー! 遅いよなにしてんのー!」

「ああ、すぐ行く!」


廊下の端っこから届くつくしの声。

気がついたら類はいなくなってた。




「帰りクレープ買ってこーぜ」

「はいはい!バナナチョコがいい!」

「ぷっ、本当好きだよな」

「だって美味いもん!」




サクラ咲いた、俺の春。




fin

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甘さを足そうとしたら(物理)になった。何故なのか。(つД`)ノ
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