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if ~もしも2人が幼馴染なら~ 思春期編

長らくお待たせ致しました。ミニ漫画パワー炸裂ぅ☆(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)←
※砂吐き要注意です!!


++++


「あ、あのさぁ」

「ん?」

「あたし達ももう大人なんだし、こうやって手繋ぐのとかそろそろやめない?」

「……」

 授業が終わり、いつものように一緒に帰ろうと手を差し出した瞬間。
 俺の愛しい幼馴染はそう言った。






「いやだ」

「えっ、なんで」

「……」

 なんでじゃねえよ、バカバカしい。
 俺は思わず眉間に力が入ってしまい、つくしは怯んだように一歩後ずさった。

「つ、司は学園でも凄くモテるんだから、あたしなんかとずっと一緒にいたら、いつまでも彼女も出来ないでしょ?」

「誰かになんか言われたのか」

「っ! そ、そういう訳じゃあ……」

 わかりやすい奴。
 図星だったのか、途端に動揺し始めた。

「くだらねえ奴の言葉なんか間に受けるな。 お前は今まで通り俺と居りゃいいんだ」

 溜息を吐いて、引っ込んだ身体ごとつくしの右手を引いてやる。俯いた顔が見たくてサラッと前髪をかきあげると、でけえ瞳は泣きそうに潤んでいた。

 つくしにこんな顔させるなんて絶対ぇ許さねえ。
 後で、生まれてきた事を後悔させてやると俺は自身に誓った。

「なあ、なんて言われたんだよ?」

 いつもならその一言で簡単に頷く言葉にも、つくしはショゲたまま一向に顔をあげない。

「………………あたしが居るから、司は彼女を作れないって」

「は?」

 何言ってんだ?
 作るもなにも、俺の女はここにいるだろうが。

「あたしがいたら……司の迷惑なんだって」

「ッふざけんな!!」

 あまりの見当違いぶりに思わず怒鳴ってしまい、つくしは肩をびくつかせた。

「……悪い。お前に怒ったんじゃねえから、な?」

 繋いでいた右手はそのままに、もう片方の手で肩を引き寄せる。

ーーちっちぇな。

 170㎝ある俺に対して、つくしはまだ150㎝ちょっとしかない。
 頭を撫でてやるといつものように胸元に頭を預けてきて、手は、きゅ、と俺の腰に抱きついてくるのが堪らなく可愛い。

「俺が守ってやるから、泣くな」

「…………ん」

 肩を抱いたままぽんぽんと慰めてやれば、鼻をすする音が聴こえてきて、ギュッと胸が締めつけられる。

 こいつは元々根が明るくて元気いっぱいで無駄にお人好しだけど、ヘコむことがないわけじゃない。
 ましてや入学したてで、今までつるんでいたツレも新たに出来たツレもいない。英徳の奴らとは根本的に話が合わないんだろう。

 昔から知り合いだった俺たち4人が牽制してはいるが、陰でコソコソやってる奴は後を絶たないみたいだった。

「……舐められたモンだな」

「え?」

「や、なんでもねーよ」

チュッ

「……ッ! だからっ、こぉいうのを止めてって言ってんのに! このバカッ!!」

「ケチケチすんな」

 つるつるの頬を両手で支えて美味そうな唇に吸い付いてやれば、つくしは真っ赤になって唇を押さえて喚いた。
 何十、何百回とやってんのに未だにこいつは慣れないらしい。

 ちなみにつくしのファーストキスは、とうの昔に俺が頂いている。

 昔、ウチで海外ドラマを鑑賞していた時、俳優の熱烈なキスを見て吃驚していたのをこれ幸いと、かましてやった。

『……ねえ、いまのなに?』

『挨拶だよ。 こいつらもしてただろ?』

『へー。そっか』

 天然ボケのこいつは、当時幼すぎたのかあまり理解していなかったが。

『あ、でも俺以外とこの挨拶は絶対すんなよ』

『……パパとママも?』

『日本では家族にはしねえ』

『類たちも?』

『俺以外の男は一生ダメだ』

『?? 挨拶なのに?』

『ダメだ。 その分俺がいっぱいしてやる』

『……へんなの』
 
 それ以降、当時は本当に小さい時だったから、会うたび毎日毎時間、ところ構わず唇や顔中に吸い付いてた。
 今でも常にしていたいくらいなんだが、そのうちキスとはどういうものかつくしが理解してきたらガードが固くなってしまい、そう簡単にはさせてくれなくなった。
 今みたいに、たまに不意打ちでするくらいか?

「なあ、今日はうちでDVD観るんだろ?」

「…………いいのかな」

ーーこいつはまだ気にしてやがんのか。

 繰り返し言うが、つくしは本当に鈍感だ。
 今だって、俺らが学園の中庭のど真ん中で抱き合ってキスまでしてるのを、校舎内から覗いてる奴がどれだけいるかもわかってない。

「お前の為にタマも張り切って準備してたんだぞ」

「ゔ」

「パティシエも、新作用意してるって言ってたのになあ?」

「…………あ、あうぅ」

「お前が来なかったら全部パァか。 あーあ」

「っ、わかったわよ! 行けばいいんでしょ、行けば!」

「よし」

「〜〜っ!?」

 最後にもう一発濃いキスをかましてやって、つくしの腰が砕けたあたりで抱き上げた。

 目撃者は全校生徒。
 さっきの俺とつくしのやりとりを見て、顔が蒼くなっている奴はダウト。
 あいつらに犯人を炙り出した後の処分は任せてあるから、明日には学園から消えていることだろう。


ーーいや、俺はそんなことよりも。


「…………そろそろ味見がしてえんだけど」

「? お菓子食べたがるなんて珍しいね?」

「すげー美味そうなんだけど、なかなか手に入らねんだよ」

「司でも手に入らないの?」

「ああ。 だからお前も協力してくれねー?」

「うん??」

 鈍い女をちょっとずつ味見して、気づいたら俺から離れられなくなっているように。
 心にも身体にも、じわじわと俺の存在を刷り込んでやる。

 それはまるで遅効性の毒のように、甘く、心地良く、蕩けるような蜜を。

「ま、そりゃ帰ってからだな」

「ねえ、さっきから何を言ってんの?」

「うん。後でな」

 そうして俺は、濃いキスの所為で熱くなってしまった身体を宥めて、背中に視線を感じながら邸に向かった。


Fin
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