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悪友で親友 〈 類のともだち 〉

最近何故か短編ばかりですね。
\( 'ω')/\( 'ω')/\( 'ω')/わっしょい、わっしょい!

こ★★さーん! これでいいかわかんないけど久しぶりに書いてみたよー。

例によってつくしちゃんは出てきません。

そういや、類スキーの方には受け入れられるんだろうかこれ……?
(๑•ૅㅁ•๑;)ハラハラドキドキ




+++++++++++++++++++++++++



「触るなっ」

 ーーバシッ!

 その瞬間、教室中の空気が凍った。
 小さな手に自らの手を払われた女教師は固まり、顔色を無くして立ち尽くしていた。

「……はなっ、花沢くん? 違うのよ、あのね」

「ねえ、あんた馬鹿じゃないの? それを俺に言ってどうしたいの」

「「「 類っ!? 」」」

 それでもなんとか自我を取り戻した女教師は、まだ幼い子供だとは信じられない程に冷めきった瞳が自分に向けられているのに焦り、取りなそうとする。
 しかし、この小さな少年はそれを見透かした様に鼻で笑った。

 ーーお前に何がわかる?

 見え透いた虚実で丸め込もうとした女教師に、目線だけでそう言ったのだ。

 …………この男の子は、誰?
 自分はただ、彼らの中でも一番大人しくて問題行動も起こさないこの子ならと、声をかけただけだったのに。
 わずか7歳である筈の彼は、怒りをそのままに声を荒げるわけでもなく、静かにこちらを睨み据えている。
 ただの男児では無いのだと肌で感じとった女は、末恐ろしい目の前の男児に身震いが止まらなくなった。

「おい類、どうした?」

「このババァがお前になんか言ったのか!?」

 同時に、男児が唯一友人と認めている3人の子供が類の傍まで駆け寄ってきていた。
 類、大丈夫か? おいあきら、静呼んで来い。さっき呼んだから、もう来る筈だ。あきら、やるな!さっすが!

 目の前で交わされる会話のそれは、女教師にとって意味がわからなかった。
 助けが欲しいのはこちらだ。自分はただ、この子達4人が碌に授業を受けずにいるのを、この少年に3人を説得して授業を受けて貰いたかっただけだというのに。

「……類ッ!」

「静、類がっ」

「ええ、あきらから聞いたわ。……類、今日はもう帰りましょ?」
 
「…………ん」

 ーー藤堂 静だ。

 思ってもみなかった人物の登場に、女教師は息を呑む。
 この4人と同様、この英徳で彼女を知らぬ者は存在しない。
 彼女は慌てた様子でパタパタと駆け寄ると、膝を折って少年の瞳を覗き込み、色素の薄い髪を撫でた。
 黙って撫でられていた少年は幾らか安堵した様子になると、先程とは全く違った様子で静の腕にしがみつき、彼女の言葉に黙って頷いたのである。

 ーー私の時には、あんなに激しく拒絶したのに?




「お前、類に何言ったんだよ?」

 静と類が去り、この場に残ったのは自分と少年3人。
 教室内で息を詰めたまま様子を伺っていたクラスの子供達は、身じろぎもせず物言わぬ物置きと化していた。
 今度は癖のある髪の少年が自分を睨み据え、他の2人も決して温かくはない目線でこちらを見ている。

 駄目だ、このままでは私の計画が……!


「違う! 違うのよ、私はただーーー」




********




「「愛人!?」」

「…………」

 コクリと肯定した類に、再びギョッとしたのは司とあきらだ。
 対して総二郎は黙って続きを待ち、静は「おじ様も仕方がないわね」と困った表情をしていた。

 3人は例の女教師を地獄に叩き落とした後、静と類がいつもいる温室へと移動した。
 もはや教師でもいられなくなったただの女は、「違うの!」だの「教師として貴方達の将来を思って!」だの、要領を得ない言い訳を連ねるばかりで、真意は全くわからなかったためもう1人の当事者である類に何があったのか直接聞きに来たのだ。

 だが、普段からぽつりぽつりとしか話さない類である。
 類なりに一生懸命伝えるも、単語が途切れ途切れに紡がれるばかりで、司やあきら、静には何のことか全くわからなかった。
 しかし唯一、何かが彼の琴線に触れたのか、総二郎が「それって愛人だったってことか?」と、ストレートに爆弾を落としたのだ。

「類の父ちゃん、やってくれるぜ」

「でも、それが俺達が授業に出る事と何か関係があるのか?」

「…………おじ様はとても厳しい方だから、類が授業を受けてないのを快く思っていなかったのよね」

「はぁ? 自分の事を棚にあげてか?」

 それで、愛人だった女は自分の点数稼ぎに4人に授業を受けさせたかったのだ。
 それが出来れば類の父はまた自分に振り向いてくれるかもしれない。女はそんな身勝手な希望を持ち、教師の身分を振りかざし、一見大人しそうな類を与し易いと見誤ってしまった。

「しかし、あの女が父ちゃんの愛人だなんてお前なんで知ってたんだよ?」

 エスパーでもあるまいし。
 不可解そうな視線を向けてくるのは総二郎。彼も自身の親が不倫を繰り返しているのは度々聴こえてくる夫婦喧嘩の会話で知っていたが、流石に相手など知らなし知りようもない。いや、知りたくもないのだが。

「……………………におい」

「「匂い??」」

「なんだよあいつ、不倫女の上にくせぇのか? 最悪だな」

「…………司、そうじゃないだろ」

 司の解釈に呆れたあきらが、処置なしとばかりに頭をふる。

「ああ、親父さんからあの女の匂いがしたのか?」

 その問いに、またしても類はコクリと頷いた。
 それだけで断定出来るのも凄いが、類が不思議なのは今に始まった事ではないし、あの元女教師の慌てぶりでは充分説得力がある。
 実際、総二郎が「ちなみにそれはどれくらい前?」と聞けば、「お腹」と答えるくらい類は変な子供だった。

 ……つまり、類がお腹の中にいる時の不倫だと?
 妊娠中の浮気はかなりありえる話だが、それが本当なら類は自分がお腹にいる時の事を覚えていて、しかも匂いがわかったというなら嗅覚すらあった事になる。
 一瞬遅れて自分と同じ考えに至ったのであろうあきらや静も、類を見て愕然としていた。

「なんだよお前ら、変な顔して?」

 …………うん。この際、1人取り残されているあんぽんたんは置いておこう。
 類の言葉を繋ぎ合わせるとどうやら、あの女は「家庭訪問がしたいから父親と会わせろ」「母親との仲はどうなのか」「あなたが何も言わないと家庭環境はいつまで経っても変わらないわ。いつでも私に相談してね」だの、不仲の原因のひとつでもある女が恥知らずにも好き勝手言っていたようだ。これでは、類が怒っても仕方がない。

「実に、大きなお世話だ」

「だな。あの程度の女でどうにか出来るなら、とっくにどうにでもなってるっつーの」

「おい、さっきからお前らは何言ってんだよ?」

 静は黙って苦笑するばかりで、その頃には、類はもう興味を失くしてしまったのか我関せず、と温室の花を眺めていた。






「んっ」

「あら何? ……あぁ、蝶々が舞ってるのね」

 クイ、と静の服を引き、コクリと意思表示をする。

「あ、ゴーレンジャー」

 だが突然、はた、と花の傍まで近づいていた類が顔を上げてそんなことを言った。

「ゴーレン……? あーーっ! やべえ忘れてた!!もう始まってるかも!」

「マジか!」

「やべっ」

 司がそれに気づいて絶叫して、あきらや総二郎も慌ててリビングへと向かう。

「……ねぇ類。今日時計忘れたって言ってなかったかしら?」

「ない」

「ええっ?」

 静が自身の腕時計を見やれば、今4人が嵌っているテレビ番組、戦隊ゴーレンジャーの開始5分前だった。
 時計もないのに良く思い出せたものだ。
 先程の事といい、類と一緒にいれば度々起こる不思議体験。静はいつも、きっとこんな事もあるのだと自身を無理矢理納得させていた。

「るーいー! 早くー!」

「ほら、司たちが呼んでるわ」

「ん!」

「……ふふっ」

 いつにない力強い返事をした類に、静は微笑ましい気持ちになった。
 そしてこの日を境に、類の不思議体験は徐々になくなり、幼馴染達や類自身の記憶からも段々薄れていくことになる。


 ーーだが、歳を重ねても類が忘れていないこともある。


『 俺たちの類に何してんだっ!!』


 大人しい類なら、と舐めてかかる大人は沢山いた。
 だが、その度に自分よりほんの少し大きい背中が決まって3つ並ぶのだ。
 最初は戸惑いだけだった気持ちが安堵に変わり、今や類にとっての【友達】はあの3人以外ありえなかった。


「類、聞いてるか?」

「ん……」

「おい、レッド役が俺に決まるまで寝るなよ!」

「ちょ、風邪ひく。毛布もってくるからな」



 ーー真綿で包まれた、優しい時間。



☆FIN☆



+++++++++++++++++++++++++


……はい、お粗末様でした。
類スキーさんの地雷(?)静さん出してしまいましたよっ(>人<;)きゃー

だってだって、ちび類には静がいなきゃ話が進まないだもーん!(だもん言うな)
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