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悪い男 22


先に謝ります。鬼畜仕様です!(`・∀・´){ 開き直りッ!






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「牧野、いいか?」

「…………っ!」

 涙目で俺を見つめる瞳。
 怯えたようにぎゅっと握られた掌。
 全身が微かに震えたまま、それでも挑むように見上げる視線が俺の嗜虐心を擽らせる。

「嫌だって言っても無駄だからな。一気に行くぞ」

 ベッドの上で見つめ合い、覚悟を決めた牧野はゴクリと唾を飲んだ。……そして。





 ちょん。


「いったあぁあぁ~い!」

「バカ、大人しくしてろっ」

「だってだって、痛いんですもんっ!」

 そう。牧野は今、何故か怪我をしていた。
 手当を受けながら泣きごとを言う牧野だが、正直、泣きたいのは俺の方だ。

 この歳でこの役職につくと、自分から他人に教えを乞うことなど早々ないと思っていたが、何故こうなったのか誰でもいいから教えて欲しいとこれほど思った事はねえ。

 髪も乾かしてやって、用意させた食事をテーブルに二人並んで食った。
 その後は、軽いキスをしたり抱きしめたり、バスローブ越しに牧野の身体を触りまくっていちゃいちゃして、牧野も恥ずかしがってはいたが抵抗はしなかったから、ベッドへもつれ込もうと牧野を抱き上げ、押し倒した。
 ……うん。そこまではよかったはずだ。

 押し倒した後は、一刻も早く牧野を “ 俺のもの ” にしたくて、バスローブを引っぺがして、俺が知らないところなんかないくらい全部見て触って舐め回し……たいのを必死に堪えて。代わりに可愛い唇に何度もキスを繰り返した。
 ……うん。ここまでも完璧だな。

 初心な牧野を怯えさせたくなかった俺は、唇から耳、首筋とキスを順番に徐々に降ろしていき、初めて目にする牧野の素肌にだんだん息が荒くなるのを自覚しながら、バスローブを少し引き下ろした。

 そこから見えた華奢な鎖骨は直ぐに折れてしまいそうに細くて、無意識にバスローブ越しに胸に手を這わせて揉み上げている自分がいて、頭ン中はもうめちゃくちゃで。

 牧野が欲しい。
 早く、この女を自分のものにしなければ。
 そんな風に込み上げてきた焦燥感は、生まれて初めてのものだった。

「あァ……ッ!」

 牧野 牧野 牧野。

 膨らみの形を変える度に、堪えている唇から僅かに溢れる響きが俺の頭を馬鹿にする。
 柔らかい肌。どこもかしこも細くて折れそうな身体。なのに女らしい肉付きが俺も一人の雄だったのだと思い出させた。

「牧野」

 早く、その肌へ触れたい。一つになりたい。
 昂った感情のまま緩んだバスローブの合わせ目に手を入れ、すぐに膨らみへと到達した。

「ひぁッ!?……ゃ、ま、まって下さっ」

「もう無理だ」

 この後に及んで抵抗する膨らみをじかに撫で摩る。

「~~ッ!」

「……かわいい、牧野」

 敏感なのか、牧野はどこに触れてもビクビクと反応する。
 イヤイヤ言ってても身体は正直で、かわいい声が俺の耳を擽るだけ。
 おまけに今にも泣いてしまいそうな瞳に余計に煽られ、下から持ち上げるばかりだった手のひらをそろりと指先で先端を探し出し、怯えさせないようにソッと触れた。



「…………っひ!?」




 そして、ここで予想外の事が起こった。

 すげーいい雰囲気だったのに、経験がないからか、驚いた牧野は俺の腹を蹴り飛ばしたのだ。
 流石の俺もみぞおちへの不意打ちには対処出来ず、しかし、女の力だけでは吹き飛ぶ事もなかった。だがその結果、牧野は俺を蹴り上げた反動でベッドヘッドに頭を打ちつけ、勢い余ってベッドから転がり落ちた。

「……お前はコメディアンか」

「しっ、仕方ないじゃないですか! びっくりしたんだからっ」

 少し擦りむいた足が痛々しい。
 まさか、俺がこんなに近くにいて怪我をさせてしまうなんて思わなかった。

「ま、いーや。 手当ても終わったしさっさと寝るぞ」

 まだ少しジンジンする腹を撫でながら、リモコンでベッドサイドの照明のみを残す。

「…………あの」

「ん?」

 そのまま寝転んだ俺と、ベッドの上で膝を立てて縮こまっている牧野。
 また一人で緊張でもしてるんだろうが、そんな怯えられちゃ手なんか出せねーよ。

「今日はもうしねーから、さっさとこっちこい」

「……ぅわっ!?」

 膝を抱えていた腕を引けば、ボフン、とベッドに転がってきた。

「ちょ、なにすんっ」

「でもキスくらいはさせろよ?」

「……ンッ」


 昂った身体は簡単に寝かせてはくれなさそうだが、せめて今日は俺の抱き枕にしてやる。



******




「…………ん、やだ寝ちゃったわ」

 男の帰りを待ち、素肌に近い姿でベッドに潜り込んでいた女は不覚にも眠ってしまっていた。
 数時間だけ眠っていたのか、女が目覚めたのはまだ薄暗いが早朝らしい。
 愛する男がまだこのベッドにいないという事は、やはり今日も会社に泊まったか、メープルへ行ったのだろうか。
 女はそれを残念に思い、だがその場合は大体朝には帰ってくる事も知っていたので、あと数時間待てばいいのだと気を良くした。

「……でも、司がいないのにここにいても仕方がないわね」

 親戚と言えど、無断で主人の部屋に入った事を知られれば流石に見咎められるだろう。
 それに着の身着のまま来たので、女性用の身嗜みの準備など一切してきていない。
 朝一で会う予定の男に、だらしない女と思われたくないという女としての矜持が、本来用意されている部屋へと戻る事を後押しした。

 それも、愛しい男さえ自分を受け入れてくれれば、正々堂々と出入り出来るのにと嘆きつつ。

「まぁいいわ。 朝には会えるんだから」

 数時間後に、最高の自分で男に会おう。
 そう意気込んで、ベッドルームの扉に手を掛けた。

「あら?」

 何やらカタカタと物音がしている。
 時刻を確認すると深夜1時を周っており、男がこんな時間に帰ってくるなんて珍しい事だった。

「…………ふふ」

 愛しい男がすぐそこにいる。
 それだけで女ーー麻紀は頬を上気させ、嬉しくてたまらなくなった。

 もしかして、司も私に会いたかったの?
 そうよね、暫く会えなかったんだからきっとそうよ。
 そっと近づいて、司を喜ばせてあげなきゃ。

「…………」

 麻紀は頬が歪むのが止められなかった。

 だって、だってすぐそこに司がいるんだもの。
 司は喜んでくれる? 褒めてくれるわよね、私、あなたの為にこんなに頑張ったんだから。


 ーーカチャ


 極力音を立てないようにドアノブをまわし、僅かに開いた隙間から覗き込む。
 確かにその部屋から物音がしているのは間違いないようで、司は本当にいる事がわかった。

 ……そっと、そっとよ。

 徐々に開いていく扉から、物音のする方へ視線を向けた。
 司はどうやら視線の反対側のソファーの辺りにいて、スピーカーで電話でもしているのか司以外の声も聞こえて来た。
 こんなに遅くまで仕事をしているなんて、と麻紀は自分に意識が向かないことに憤りを感じた。


「…………だ? ………めよ」



 ーーえ?

 会話は聴き取れなかったが、司の声が聞こえた気がした。 何故、気がした。などと言ったのかと言うと、司の声に良く似た別人の声かもしれないと思ったからだ。

 だって司は……あんな声は決して出さない。

 あんなに、誰かを甘やかすようにひどく優しい声は聞いた事がない。
 いや、でもだったら何故この部屋にいるのか。
 麻紀は嫌な音を響かせ始めた心音を押し殺し、当たって欲しくない予感を抱えたまま、愛しい男がいる部屋へ足を踏み出した。
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