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ライオン #15

"バァーーーン!"


「ちょっと!道明寺!!」

「あんたはまた一体何を騒いで‥‥っ!」



叫び声が聞こえるなり部屋から飛び出し、すぐ隣の司に部屋に向かったつくし。

廊下に出た瞬間から自身も負けじと怒鳴り出し、同時に、左側にある司の部屋の方向に顔を向けた。


「あ、 牧野!!」

「‥‥‥‥‥なに、やってんの?」


つくしが目を向けた方向には、司と、この邸のものではない華奢な後ろ姿。


「牧野、早くコッチヘこい!」


何やら慌ただしい様子の司。


「司様、私、まだお話が‥‥!」

「うるせえッ!触んなブスッ!」

何やら必死に司を引き留めている女性と‥‥‥拒否しまくりの司。


「‥‥‥ちょっ、ちょっと!?」


一見、男と女の修羅場にも見えるが。良く見ると‥‥‥‥いや、良く見なくとも一方的に女が迫っているのは鈍感なつくしにもわかった。

だが、このままでは道明寺がキレてこの子に怪我をさせかねない!

そう思って止めに入ろうとした。

「 司様、待って下さい!」

しかし、先を越されてしまう。

「牧野、来いッ!」

いつも間にか近くに来ていた司はつくしの手を取り、部屋に促そうと引っ張った。

「‥‥‥‥‥っえ?いいの?」

引っ張られながらもこの女が気掛かりなつくし。

「いちいち変な奴に構ってられるか!俺は気が短けーんだよッ!」

「でも‥‥‥‥。」

「後はSPに任しときゃいんだ。お前が気にするこっちゃねえ!」

「‥‥‥あれっ!?」

ーーーー後ろを振り向いてその人物の確かめると、見覚えのある顔が居た。

「 おいっ!顔なんか見せんな、お前が逆恨みされっぞ!」

「つかっ‥‥‥!」


"ぐいっ!"

"バンッ!"


ーーーー司は自分の部屋につくしを引き摺るように連れ込むと、直ぐ様自分も部屋に入り、女を拒絶するように厳重に鍵をかけた。





******






「‥‥‥‥‥‥‥ねえ、一体どうしたのよ?」

「知るかッ!俺が聞きてーくらいだ。」

「何なんだ、アイツまじで。勝手に他人ん家上がり込んで来やがって!」

「‥‥‥‥‥‥‥彼女は、何て?」

「あ?‥‥‥‥‥あぁ。」

「なんか‥‥‥『これから行動を共にする事になりますので、宜しくお願いします』だったか?そんな意味不明なこと言ってたぜ。」

「‥‥‥‥それって、さ。」

「何が『共にする』だ。ストーカー宣言かっつの。マジできめぇ。」

「い、いや、だからね?彼女はあんたの‥‥!」




「‥‥‥‥‥あ?なにお前。妬いてんの?」

「はあッ!?」


ーーーーどーしてそうなる!!


「そっ、そんなわけないでしょっ!」

「‥‥照れんなよ。」

「照れるかダァホッ!!いいから人の話を聞けっつーの!」

「そうかそうか。そんなに俺が好きか。」

「っだーーー!!違うっつーの!」

「彼女はあんたの秘書になる人よッ!」




「‥‥‥‥‥‥‥‥‥あ?」

「だから、これから行動を共にするって言ってたんだと思うけど!?」

「‥‥‥‥‥‥‥‥。」

「‥‥‥‥‥‥‥‥。」

「ま、まぁ、何でここに居るのかはあたしもよく知らないけどさ。」





「アイツが‥‥‥俺の、秘書?」

「うん、たぶん‥‥‥。」

「あの、ストーカーがか?」

「いや、ストーカーって決まったわけじゃ‥‥。」

「‥‥‥‥‥‥‥‥有り得ねえ。」


ーーーー司は言葉通りの顔をしてガクッと項垂れたあと、最後にボソッとそう呟いた。

まるでこの世の終わりのように。




「 ‥‥‥‥‥。」



ーーーー仕方ないなぁ。


慰めてやるかっ!





「まっ、いーじゃん!」

「 あ?」

パッと、司の頭が持ち上がる。

「あんな美人が秘書なんだよ?フツーはもっと喜ぶもんじゃないの?」

「あほか‥‥‥喜べねーよ。」

能天気に喋っているつくしを、司は軽く睨む。

「なんで??アンタってほんと変わってるよねえ。」

「 ‥‥‥‥‥。」

「あたしが男なら、絶対喜ぶのになぁ。あんなかわいーコ。」


「‥‥‥‥‥‥お前に、変わってるとか言われたかねーな。」

「 ? だって、変じゃん。」

「お前のが変だ。」

「何でよ?」



「‥‥‥‥‥お前さ。」


ーーーーぎゅっ。


「わっ、何!?いきなり手ぇ掴まないでよ!ビックリすんじゃん!」

ふいに指の動きを封じる様に、ベッドに腰をかけたまま、両手がキュッっと掴まれた。

「こーんなイイ男が目の前に居るっつーのに、見向きもしねーで。ベラベラ喋り続けんのはお前くらいって知ってっか?」


「 ‥‥‥‥。」


なに‥‥‥真面目な顔であほなこと言ってんのよ‥‥‥。









「 ‥‥‥‥‥‥‥自意識過剰 。」










「‥‥‥‥‥‥‥ほぉう?」






司の額にピキッと青筋が浮かぶ。



「わっ、うそうそ!怖いって!その顔!」

「‥‥‥じゃあ、わからず屋のお前に、た~っぷりと俺様の魅力を教えやらねえとな。」

「 !? もっ、もも、もう、じゅーぶんに理解してるので結構ですっ!」

嫌な予感がしたつくしはブンブンっと思いっきり手と顔を振った。

「いや、まだお前は俺の魅力を充分に理解してねえ。」



ーーーー何処まで自意識過剰なんだよッッ!!


" スルッ‥‥ "


いつの間にかつくしを囲い込んだ司の右手が、太股まで降りて撫で上げる。


「っぎゃ‥‥!この、変態っ!どこ触って‥‥‥!」

「何ならこのまま、素直にならせてやるけど?」


ーーーー何度も何度も辿られて、次第に足から力が抜けていく。


" ガクッ "


「おいおい、危ねえな。」

ついにはへたれこんでしまいそうなつくしを、腰に回った司の腕が支えた。


「しっかり、立て。」


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥ばか。」







頬に大きな手が添えられる。


下から近づいてきた血色のいい唇は、何度かあたしの唇を何度か啄んだ後、滑り落ちるように首筋に降りていった。


「あ、待って‥‥‥。」

「待たねー。」

「やだ、ほんとに‥‥」

「うるせえ。」


ーーーーぷちん。


「っや!」


圧迫感から解放された胸元に、ホックを外されたのだとすぐに理解した。


「な?」

「だって、さっきの人が近くに居たら‥‥。」


さっきまで強気な態度をとっていたつくしが、途端に顔を染め上げ大人しくなっていく。







「‥‥‥‥‥見せつけてやれよ。」



あっという間にベッドに座って居た司と立場が入れ替わり、流れる様にブラウスのボタンが外され、上半身には幾つもの赤い花びらが散らされていったーーーー。









******




「ちょっとアンタ。一体何が目的よ。」


言葉を発した人物は、モデル顔負けの長く美しい脚を組み、悠然とソファーに座っている。






「あら。藪から棒に何を言い出すかと思えば‥‥‥。」

「そんな怖い顔して。美人が台無しよ?椿。」


これ以上ないくらいに贅沢な家具に囲まれ、そのなかに自然に溶け込んでる椿とあずみ。


「余計なお世話だわ。」

「‥‥‥‥そう?」

「言っとくけど、つくしちゃんと司に何かしようったって無駄よ。」

「‥‥‥何もかもお見通しって訳?」

「知らないけど、あなたのしようとしている事くらい検討がつくわよ。」

「まだ、司が好きなの?」

「さぁ‥‥‥どうかしら?」

「じゃあ、あの二人に今後一切‥‥!」

「それは出来ない相談ね。」

「司様は私の未来の旦那様だもの。」

「はっ?」

「やだ、そんな顔しないでよ。だってこれは当然の事じゃない。」

くすくすと、可笑しな事を聞いたように笑った。

「あ、あんた、何を言って‥‥‥?」

「楓様になら、もう許可は頂いたわ。」

「お母様が‥‥‥‥許可?」

「ええ。」

「司様を振り向かせることが出来たら、結婚しても良いと言って下さったの。」


「何、言ってるのよ?そもそもあなたは‥‥‥。」


「絶対、あのコから奪い取ってみせる。」
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